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中国スマートフォン大手OPPO傘下のハイエンドブランド「OnePlus(一加)」の共同創業者である裴宇(カール・ペイ)氏は、イギリスで新しいデジタル製品メーカー「Nothing」を立ち上げた。
裴氏といえばOnePlusの経営陣のコアメンバーとして知られ、32歳の若さで注目に値する業績を十分に残した人物だ。ピート・ラウ(劉作虎)氏が2013年にOnePlusを設立した時に共同創業者として加わり、海外市場開拓のほか、欧州やインド市場でも発表した「Nord」シリーズを主導した。同シリーズは販売当初、イタリア、フランス、ドイツやイギリスのアマゾンのスマートフォン販売ランキングでトップになった。
裴氏はそれで満足することはなく、「20~30歳の頃は誰かのアシストをしてきたが、30~40歳は自分の事をしたい」と語った。
そして昨年の31歳の誕生日にOnePlusを退職し、再び起業した。
「何をするのかはっきり決まっていなかったが、まず退職してから考えようと思った」と話すように、幼少期から暮らしたスウェーデンに戻ってしばらく過ごした。
スウェーデンでの6週間、裴氏は頻繁に現地の友人に会い、ビジネスパートナーもおらず新製品もない状況で700万ドル(約8億円)もの出資を受けた。60人以上の個人投資家によるもので、中にはイギリスで起業して成功した友人やアップル元役員のTony Fadell氏、米ソーシャルニュースサイト「reddit」創業者のSteve Huffman氏など業界有名人がいた。
友人たちと頻繁に会って意見をぶつけ合う中で、裴氏は今後について考えを次第にまとめた。「中国には優れたエンジニアやサプライチェーンがあるが、最も優れた工業デザインやブランドマーケティングは欧米にある。世界範囲でリソースを統合すればもっとすごいことができる」。
裴氏がよく知るコンシューマーエレクトロニクスは最も入りやすい分野だった。この業界では3C製品(コンピュータ、通信機器、家電)のメーカーがどこもアップルの方角を向いている状態が長らく続いている。これは面白みはないが安全な選択であり、これらの会社は苦労してまで独自の試みに挑戦したくないと考えていた。裴氏は「アップルとは違う個性を持ち、まずは限られたユーザーにサービスを提供してブランドを作り上げていけば、新興企業にもチャンスがあると考えた」と話していた。
裴氏はNothingを設立。社名は「最も優れた技術は美しく、使ってみると自然で直観的。先端をいくなら、技術自体はそっと陰に隠れ、何もないかのようにするのがよい」という裴氏の考え方からくる。
設立から1年足らずでNothingは最初の製品である完全ワイヤレスイヤホン「ear(1)」を発表。アップルの白く細長いイヤホンとは違い、ケースは透明で黒を基調とする。価格は99ドル(約1万1000円)で、発売から2カ月余りで22万台を出荷した。新ブランドとしては悪くない成績だ。
Nothingの滑り出しは順調で、シードラウンドから半年足らずでシリーズAを実施して1500万ドル(約17億円)を調達。今年10月にもシリーズA+で5000万ドル(約57億円)を調達した。
しかし、優れたサプライチェーンや優秀な人材の確保など、多くの難題にも直面している。
アップルがほぼ市場を独占する中、ear(1)はわずかな隙間をこじ開けたが、裴氏の目標はイヤホンメーカーにとどまらない。
裴氏は「初製品であるイヤホンの販売総数は予想を上回り、販売終了時期までに合計40万台を予定していたのに対し、現段階ですでに32万台以上の注文が来ている。今後は単なるイヤホンメーカーではなく、スマートデバイスのエコシステムを有する企業に成長していきたい。イヤホンはエコシステムの一部であり、エコシステムの成長に伴って、友人に自慢したくなるような代表的な製品を継続的に提供したい」と話した。
(翻訳・二胡)
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