汚染ゼロ・分解可能 中国新材料メーカー、物理発泡技術で量産を本格化

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汚染ゼロ・分解可能 中国新材料メーカー、物理発泡技術で量産を本格化

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新材料を開発する「大毛牛(DMN)」がシリーズAで数千万元(数億円)を調達し、評価額が10億元(約180億円)に迫った。出資を主導したのは東方匯富投資(Fortune Link)。

大毛牛は2019年8月に設立され、超低密度ポリマーの物理発泡技術に特化した新素材開発企業だ。創業者の白朋CEOは、家電量販世界最大手ベストバイや香港の繊維製品メーカー匯銀控股集団(Huiyin Holdings Group)の上級管理職を務めた経験もある連続起業家だ。CTOの張振秀氏は、青島科技大学高分子科学・工程学院で教鞭をとるほか、韓国の慶尚大学校でもエラストマー研究室の研究教授を務め、多孔質材料の調合や機能化、ゴム、プラスチック材料の加工や応用などを研究する。同社はすでに150以上の特許権を取得しているという。

画期的な「物理発泡」技術

創業当初に同社が発表したのは防寒着だった。スマートフォン大手シャオミ(Xiaomi)の生活用品通販サイト「小米有品(YOUPIN)」でクラウドファンディングを実施し、定価399元(約7200円)の商品を9日間で2万6000枚売り上げ、1025万元(約1億8400万円)以上を調達した。この防寒着は、独自開発した柔軟性のある高分子系保温・断熱材を用いている。

基礎材料分野での基本的な調合法として発泡体加工は幅広く活用され、ターゲット市場は1兆元(約18兆円)規模になる。大毛牛が手がけるのは主に高反発材料、高断熱材料、分解性材料の3シリーズだ。高反発材料は主にスポーツ、アウトドア、靴、クッション素材として、高断熱材料は冷蔵物流、高速鉄道、自動車、航空機などの保温・断熱材料として、分解性材料はバイオ、海洋など分解性が求められるシーンに用いられる。中でも断熱材料の応用分野はターゲット市場の伸びしろが大きく、客単価も高いため、十分な生産能力を確保できれば大毛牛の主要収益源rとなり得る。

架橋剤や発泡剤など化学発泡剤を使用する製造法とは異なり、物理発泡は有機発泡剤の代わりに超臨界二酸化炭素や窒素を使用して多孔質発泡材を調合する。純粋な物理的過程のみを経るため、衛生的で有害物質の排出も少ない利点がある。しかし、製造加工技術、調合法、製造設備に求められる条件が高く、物理発泡の事業化は難しい。そのため、英国の上場企業「ZOTE FOAMS」が同分野で40年近く世界市場を独占してきた。同社の顧客には航空機製造世界大手のボーイングやエアバス、レイセオンをはじめ、BMW、メルセデス・ベンツ、ユニリーバ、ミズノ、ナイキなどの有名企業が名を連ねる。 中国で同社の製品は、化学発泡剤を用いた一般製品の5〜7倍の価格で販売されている。

白CEOによると、中国の発泡体業界はまだ数十年と歴史が浅く、その製造加工技術は一貫して海外からの「輸入」に頼っているため、業界は現在も価格だけを競うレベルに留まっている。大毛牛の開発業務は実験からスタートし、大々的な試作段階を経て本格的な量産段階に10年近くをかけて到達した。今年11月、南京市の工場で初の生産ラインでの正式な量産がスタートしている。

大毛牛の新素材が有害物質の「排出ゼロ、残留ゼロ、沈殿ゼロ、汚染ゼロ」に加え、「分解可能」も実現できると白CEOが語る。同社の製品は中国政府が推進する「双炭(2030年までにカーボンピークアウト、2060年までにカーボンニュートラル実現)」政策にも添うものであり、製造加工技術や調合コスト、製品指数などはZOTE FOAMSを上回り、寡占状態を打ち破って国産品での代替を実現するという中国の死活問題を解決したと同氏はみている。

大毛牛はすでに1億5000万元(約27億円)を目標額とする次の資金調達を進めている。主に生産ラインの増強、新工場の稼働開始、生産ラインのオートメーション、組織拡充、運転資金の積み増しに用いる予定だ。
(翻訳・愛玉)

厚さ3ミリでマイナス40度に耐える防寒着、「大毛牛」の新素材

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