OPPOに技術提供のARレンズ「Greatar」、シャオミも出資

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AR回折光導波路および回折格子の開発から販売を手掛ける「至格科技(Greatar)」が、シリーズA+で中国スマートフォン大手の小米(シャオミ)から資金を調達したと発表した。

至格科技は以前にもスマホ大手OPPO(オッポ)の出資を受け、同社のARスマートグラスに回折光導波路レンズを提供している。今回のシャオミからの出資は、至格科技の製品と技術がスマホメーカー大手2社に認められたことを示している。

至格科技の技術は主に回折格子の設計、ナノインプリントリソグラフィによる生産などで活用され、回折光導波路のカスタマイズ設計、サンプル生産、量産が可能。自社生産ラインの生産能力、歩留まり(良品率)は向上中だ。

創業者兼CEOの孟祥峰氏は、至格科技が今年9月に発表した第2世代の回折光導波路の製品について「視野角は40~52度で、複雑な設計、技術を通じて色の均等性を向上させ、世界をリードする製品をベンチマークとしている。さらに、厚さはわずか2.1mm、レンズの大きさは縦横ともに20mm以上で、輝度も向上した」と話す。

至格科技のAR回折光導波路の効果

中国情報通信研究院のデータによると、AR端末の世界での出荷台数は20年の63万台から24年には4125万台となり、ARの世界市場規模は280億元(約5000億円)から2400億元(約4兆3000億円)に達すると予想される。

ARグラスに関していえば、回折光導波路技術を採用した消費者向け製品だけでもシャオミとOPPOを含む中国のメーカーが21年下半期に多くの製品を発表した。

光導波路分野や端末メーカーにとって量産が課題となるが、ARのハードウェアは複雑な産業チェーンが形成されており、先端分野やコア技術を先進国に依存する分野であるため、技術的課題を数年で克服するのは難しい。

回折光導波路分野では、整備された産業チェーンは欧米に集中している。川上のマイクロソフト、アップル、Metaなども虎視眈々と機会を狙っており、多くの技術開発型スタートアップは早い段階から特定の大手企業グループとのみ取引をするか、買収されるか、独占的な製品供給の契約を結ばざるを得なくなる。そのため、多くの中国メーカーは産業チェーンの制約を受ける。

至格科技のAR回折光導波路

孟氏は「至格科技は清華大学の創業支援を受けて設立され、清華大学の20年以上におよぶ回折格子分野の研究成果を産業化しており、産業・大学・研究機関が一体となって回折光導波路の川上、川下における技術的課題、ソリューション、事業化の可能性を十分に検討してきた。そのうえで、回折光導波路は将来の消費者向けARデバイスに適した技術だと確信している」と話す。

現在、至格科技は回折光導波路の量産体制を確立し、すでに消費者向け製品の量産、納入経験もあり、設計、素材提案、製造技術などのサービスをワンストップで提供する。

今後の計画について孟氏は「まず光学分野で世界のトップ技術に追い付き、設計能力や製品性能を高める。次に、回折光導波路の生産ラインの完全な自動化を近い将来実現したい」と語った。

(翻訳・二胡)

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