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中国EC大手「京東(JD.com)」の越境ECプラットフォーム「京東国際(JD Worldwide)」は10日、傘下のスーパーマーケット「Ochama」がオランダのロッテルダムとレイデンに店舗をオープンしたと発表した。
発表によると、Ochamaはオンラインで注文した商品を店舗で受け取れるスーパーで、オランダ初の業態だ。商品の種類は生鮮食品、家電、化粧品、ベビー・マタニティ用品、衣類、家庭用品などを取り扱う。現在、アムステルダムとユトレヒトでも店舗がオープンしている。
Ochamaは京東の独立した小売りブランドで、京東国際の傘下事業だ。プロジェクト責任者は雷凌氏で、最高執行責任者は10月に就任したMark den Butter氏だ。
京東国際によると、Ochamaは「倉庫一体型店舗」モデルを採用しており、倉庫から商品受け取りエリアまでの商品の流れが自動化されている。
ユーザーがOchamaのアプリから注文すると、ロボットアームや京東独自開発の自動搬送ロボット(AGV)やコンテナ搬送システムが連携して商品をピックアップし、受け取りエリアへ運ぶ。ユーザーはOchamaの店舗で商品を受け取れるほか、翌日配送も指定できる。
京東にとってオランダは小売り事業が進出する最初の海外拠点となる。京東の小売り事業「京東零售(JD Retail)」のCEOに新たに就任した辛利軍氏は昨年11月、米ニュース専門局CNBCのインタビューに対し、「ベトナムとヨーロッパを戦略的に分析している」と答え、国際事業拡大のターゲット市場を明らかにした。
京東は小売り事業に先立ち、倉庫事業を欧州で展開している。昨年8月、京東国際はドイツとポーランドに続き、欧州3つ目の自動倉庫をオランダ南東部のリンブルフ州で立ち上げた。
輸送・配送と倉庫は京東の海外戦略の中で重要な位置付けにある。同社によると昨年は英国、ドイツ、オランダ、中東、豪州などに新たな倉庫を設け、その半分以上が自動倉庫が占めた。現在、京東国際は海外に保税倉庫を含む倉庫を合計80有している。
CNBCは、Ochamaの欧州進出はアマゾン傘下の無人スーパー「Amazon Go」への潜在的な挑戦だと分析する。アマゾンは2018年にレジなし無人スーパー「Amazon Go」を米国で開設し、欧州では昨年3月に英ロンドンに最初の店舗を開設している。
Amazon GoとOchamaの違いは、Ochamaがアプリを使った注文から店舗での受け取りまでを自動化し、オンラインとオフラインのスムーズな連携に重点を置いていることに対して、Amazon Goは店内でのショッピング体験の自動化に重点を置いていることだ。Amazon Goは自動認証やセンサーなどの技術を用い、店内で消費者が手に取った商品を自動的に決済するため、ユーザーはレジに並んで清算する必要がない。Ochamaはユーザーが店に出向いて商品を買う場合、店内に陳列エリアに出された一部商品しか選べない。
近年、京東は海外事業を拡大している。これまで京東の海外展開は主に東南アジア市場がターゲットで、インドネシアやタイでは合弁企業を設立し、ベトナムではECプラットフォーム「Tiki」に出資している。新たに開業したOchamaは、京東の海外事業が新たな段階に入ったことを象徴しているのかもしれない。
(36Kr Japan編集部)
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