世界のコスメが倉庫型店舗に集結、中国発「HARMAY」が約230億円調達

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世界のコスメが倉庫型店舗に集結、中国発「HARMAY」が約230億円調達

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倉庫スタイルの店舗を展開する新興コスメショップ「HARMAY(話梅)」がシリーズCおよびDで約2億ドル(約230億円)を調達した。シリーズCのリード・インベスターは米「General Atlantic」、コ・インベスターは「高瓴資本(Hillhouse Capital)」「欧翎投資(Ocean Link)」「五岳資本(N5Capital)」「鐘鼎資本(Eastern Bell Capital)」「黒蟻資本(BA Capital)」。シリーズDのリード・インベスターは「QY Capital」、コ・インベスターはGeneral Atlantic、鐘鼎資本、五岳資本、欧翎投資で、財務アドバイザーはシリーズC、D共に「高鵠資本(Cygnus Equity)」が務めた。

HARMAYはまずオンラインで事業を開始し、2017年に上海に初店舗をオープンした。2019年に北京店をオープンして本格的にブレークし、資本市場からの支持も集めるようになった。

2019年のシリーズA以来、これまでに4度の資金調達を行い、多くの一流投資機関を引き付けている。

HARMAYは世界中のコスメのセレクトショップと位置付けられている。路面の戸建て物件を店舗に選び、「ワンストア、ワンスタイル」という独自の美学で個々の店舗の独立性を確保するだけでなく、より大きな権限を与えて自主的な運営・管理に任せファンを増やした。

2021年12月にオープンした重慶店を例に取ると、この店舗は重慶市内にいまも残る戦時中の防空壕からインスピレーションを得てデザインされている。また、工場の「製造ライン」をインテリアのコンセプトとし、巨大な発電装置、ベルトコンベヤー、作業台などを置き、地域の特色とインダストリアル(工業風)なデザインを兼ね備えた「洞窟工場」を作り上げている。

HARMAY重慶店

人通りの多い交差点にある上海店は、1階を市民や観光客が休憩できるオープンスペースとして開放し、そこにティーショップやカフェなど自社で投資するさまざまなビジネスを取り入れることにより人を集め、購買率(コンバージョン率)を高めることを選択した。

HARMAY上海店

HARMAYのコンバージョン向上の鍵は、多数の有名ブランドや中国国内では手に入れにくいマイナーブランド、および膨大なサンプル品(トラベルサイズの小分け包装)にある。HARMAYは現在400余りのメジャーブランドやマイナーブランドを扱い、SKU(商品点数)は9000以上、2021年には新たに100以上のブランドと提携を結んだ。HARMAYはこの点で、同業他社のチャネルと大きく差別化ができている。

初店舗である上海店のオープンから、HARMAYは一貫してそれぞれの都市の特色を反映した店舗をデザインし、そこにさまざまなビジネスを融合させ、ビジネスチャンスにつながる人の流れを常時生んでいる。HARMAY創業者の鐘太鵬(Damien Zhong)氏によれば、これは消費需要の変化に基づく選択で、「消費者の購買ニーズはオンラインショッピングでほぼ満たされ、オフラインの店舗は体験や気晴らしを担う存在になりつつある」と語った。

店舗は「販売の場」というより「サービスの場」であるという考え方も、HARMAYが多くの投資家に支持される要因だ。

HARMAYは海外の有名・無名ブランドとの代理契約や提携のほかに、米有名メイクアップアーティストのケビン・オークイン氏のブランド「Kevyn Aucoin Beauty」を買収したり、中国のスキンケアブランド「PMPM」へ出資したりなど、マイナーコスメブランドへの投資も早くから行ってきた。

ブランド効果の波及に伴い、商業不動産業者やサプライヤーとの提携の強みも顕著になっている。鐘氏は「新規出店地の選定についてはすでに極秘機密事項になっている」、「出店を決めた立地周辺は、店舗賃料がすぐに値上がりする」と述べた。

鐘氏によると、北京にある2号店はピーク時に月1500万元(約2億7000万円)を売り上げ、坪効率(坪当たりの売上高)では中国全土のオフラインチャネルの中でトップに立ったという。販売規模が拡大するとHARMAYと海外の有名ブランドとの関係はより密接になった。過去1年でHARMAYはロレアル傘下の複数の新ブランドと提携を結び、自社店舗での販売を開始したが、これもメジャーブランドと提携するための足掛かりだ。

現時点で、HARMAYは中国国内に9店舗を展開している。今年は武漢、広州、深圳など新たな都市や地域へ進出し、ミニプログラムやアプリのリリースも予定している。

(翻訳:浅田雅美)

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