Z世代の台頭で変わる化粧品のマーケティング

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1995年以降に生まれた「Z世代」は、今やあらゆる分野で消費活動の中心となった。インターネット消費のインフラが整備されたことで、Z世代の情報入手経路や嗜好が消費システムに変化をもたらしている。

コスメティックブランド・コンサルタント会社「OIB China」総経理の呉志剛氏は、「2018淘美粧商友会年度式典」で、Z世代の消費者がECコスメブランドのエコシステム全体に与える影響について講演した。講演の概要は以下の通り。

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Z世代は、多くのブランドにとって決定的な勢力になっている。Z世代の動向が今の中国、さらには世界のファッションブランドの陣営を変えるのだ。

実際、Z世代は化粧品業界を大幅に変化させてきた。「OLAY」など低迷していたブランドがリバイバルし、「ランコム(Lancôme)」などの高級ブランドが地方都市でも人々の手に届くようになった。さらに「完美日記(Perfect Diary)」などの新ブランドがオンラインで輝かしいスタートを切っている。

Z世代はコスメブランド全体に大革新をもたらしており、ブランドは商品、宣伝、チャネル、ブランド、組織の5つの分野で刷新する必要に迫られている。

1.商品の刷新
今後の商品には以下が必要となるだろう。

・商品の包みを開けた時、シェアしたいという衝動を感じられるコンテンツ性。

・モーメンツで紹介されて商品の価値が高まるソーシャル性。

・自分のキャラクター確立に役に立つキャラクター性。

・単独商品ではなく、カテゴリ全体に焦点を当てて、可能な限りユーザーを取り込むブランド性。

2.宣伝方法の刷新
広告とは消費者に見せたいもの、コンテンツとは消費者が見たいものである。受け手の視点に立つのがコンテンツマーケティングだ。

現在、化粧品業界には360を超えるコンテンツマーケティングのプラットフォームがある。異なるコンテンツに応じて様々なプラットフォームが生まれているので、全方位に対応できる。

商品のソーシャル性において基準となるのがインフルエンサー(KOL)だ。プロモーションしたいとインフルエンサーに思ってもらうことが、コンテンツマーケティングにおいて重要だ。

2019年にコンテンツマーケティングは爆発的に増加するとみられる。今後はコンテンツマーケティングがブランドの将来を左右するだろう。

3.チャネルの刷新
化粧品販売ではオンラインが最大の販売チャネルになる。そのため、 ECモール「天猫(T mall)」、ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」、「淘宝(タオバオ)」代理販売の3つの分野に力を入れる必要がある。

特に天猫と淘宝は、ユーザーのニーズで補完関係にある。また、立ち上げ直後に淘宝で一定の規模に成長した後、天猫でさらに消費者を獲得するというリレー方式でブランドを育成することができる。

4.ブランドの刷新
2018年は、ユーザーメインで、インターネット上で成長を遂げた新鋭ブランドが数多く生まれ、新鋭ブランド元年とも言われた。

新鋭ブランドには3つの重要な成長段階がある。第一段階はアクセス数を集め、コンバージョン率を高めること。第二段階は商品を浸透させ、ブランドニーズに合わせてカテゴリの拡大を図ること。第三段階はブランド価値を形成すること。このプロセスで、ブランド管理の中核となるのが商品、アクセス数、コンテンツの連携であり、この三位一体こそがブランド運営なのだ。

5.組織の刷新
古い組織から新しいブランドは生まれない。成功の鍵はデータ分析に基づく商品のセレクト力、コンテンツやユーザーの運営能力だ。これらの能力を社内で生み出すことが競争力につながる。ビジネスの原動力となるのはブランド浸透力を高めることだ。また、新規ユーザーを常に獲得しなければ長くは続かない。これもZ世代が教えてくれたことだ。
(翻訳・畠中裕子)

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