EC大手京東、即時配送「達達」連結子会社に。店舗からの宅配強化

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EC大手京東、即時配送「達達」連結子会社に。店舗からの宅配強化

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中国の電子商取引(EC)大手「京東集団JDドットコム」はこのほど、同国即時配送大手「達達集団(Dada Nexus)」に追加出資し、連結子会社化すると発表した。出資比率を従来の47.4%から約52%に引き上げる。消費者が希望する時間と場所に食料品や日用品などを短時間で届けるオンデマンド型の即時配送サービスを拡充し、攻勢をかけるのが狙い。

京東によると、達達が京東に対し、一定数の普通株を発行する一方、対価として、京東から5億4600万ドル(約630億円)と一部の戦略的資源を獲得する。京東は2021年3月、8億ドル(約920億円)で達達が新規発行する普通株を取得すると表明していた。

オンデマンド型の即時配送が強みの達達は14年に上海で設立。20年6月に米ナスダック市場に上場した。幅広い業種を対象にBtoC(消費者向け)サービスを提供する「達達快送(Dada Now)」と、「約1時間配送」をうたい文句に、小売業やブランド企業に特化したBtoCサービスを展開する「京東到家(JDDJ)」が2大事業だ。ナスダック上場時の目論見書によると、京東は達達株式の47.4%を保有する筆頭株主だった。

財務データを見ると、達達はまだ採算が取れていない状況だ。21年第3四半期(7~9月)の同社の売上高は前年同期比29.6%増の16億8700万元(約308億円)と増収を確保。半面、純損益は5億4300万元(約99億円)の赤字となり、赤字額は前年同期から約25%拡大した。運営コストは12億3600万元と21.4%増え、赤字拡大の主因となった。

「小時購」に即時配送資源を集約へ

京東が今回、達達に追加出資し、連結子会社化した背景には、オンデマンド型の即時配送サービスを重視していることがある。

京東と達達はこれまでに連携を深め、即時配送サービスを徐々に強化してきた。達達の前身は、京東が16年に子会社の京東到家を切り離し、達達と配送事業を統合して設立した「達達-京東到家」だ。その後、現在の達達集団に改称している。

直近では21年11月、中国で「双11(ダブルイレブン)」と呼ばれる年間最大のオンライン通販セールイベントの際に、京東は達達と共同で、即時配送の新サービス「小時購」を開始すると発表した。消費者が小時購のロゴ入り商品を注文すると、システムが位置情報サービス(LBS)を基に周辺3〜5キロ以内の店舗から商品を出荷し、約1時間で自宅に届く仕組みだ。

京東は今後、宅配業務に経営資源を集中し、自社アプリ内でも同業務の窓口を共通化する方針。小時購については、従前の京東到家や、京東傘下のスーパーマーケット「七鮮超市(7FRESH)」などが展開するさまざまな宅配モデルを集約していくとみられる。

即時配送を巡っては、京東は先に、「物競天択」というサービスで参入済みだ。小時購と類似のサービスを掲げていたものの、大口顧客が既に京東到家などのプラットフォームを利用していたため、浸透しなかった経緯がある。

京東到家は小売りチェーントップ100社のうちスーパーマーケット82社および200社以上のブランド企業と提携している。また、クラウドでソフトを提供するSaaS技術を活用した達達の自社開発システム「達達海博系統」を利用する店舗は5000店以上に上る。京東はもちろん、達達もこれらの資源を活用していかない手はない。

京東が21年4月に打ち出したネットと実店舗を一体化させるオムニチャネル戦略とも合致する。即時配達はまさに同戦略の重要な柱の一つとなっている。

最大の競合相手は美団か

一方、即時配送サービスは今後の成長が見込める分野として、過去1年で他社が相次いで新規参入している。競合相手としてとりわけ名前が挙がるのが、生活関連サービス大手「美団(Meituan)」の子会社「美団閃購」だ。

美団閃購に関しては、「客単価が持ち帰りの平均客単価である49元(約890円)を上回っている」と複数の関係者が明らかにした。粗利益率も改善し続けており、堅調だという。

美団の王興・創業者兼最高経営責任者(CEO)は、21年第3四半期の決算発表で、美団閃購の受注規模について、1000万件程度に達するとの見通しを披露。その上で、来店頻度の高い持ち帰り客に対し、美団閃購への利用転換を勧めていく方針を示した。

市場では楽観的な試算として、向こう2、3年で、美団閃購もしくは京東の小時購の1日当たり受注件数が1000万件に達するほか、客単価では60元(約1090円)となり、通年の流通総額(GMV)を2200億元(約4兆130億円)前後押し上げるとの見方が出ている。

(36Kr Japan編集部)

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