切削工具も3Dプリントで。中国新興企業、金属セラミックスの複合材料で性能改善に挑戦

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切削工具も3Dプリントで。中国新興企業、金属セラミックスの複合材料で性能改善に挑戦

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切削工具を3Dプリントで生産、販売する「恒普(寧波)激光科技(Hengpu Laser)」がシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。「同創偉業(Cowin Capital)」がリード・インベスターを、「寧波天使引導基金(Ningbo Angel Capital Guiding Fund)」がコ・インベスターを務めた。

恒普激光は、自社開発の革新的なレーザー3Dプリント技術を使用して切削工具を生産する。低コストの鋼材にレーザーでセラミックス基複合材料を埋め込み、金属とセラミックを複合するため、じん(靱)性や耐摩耗性が高く、総合的な性能は従来の切削工具の10倍以上だ。

恒普の3Dプリントによる切削工具の製造(左) 従来の切削工具の製造(右)

金属セラミックス複合材料の3Dプリント技術は産業界の大きな課題だった。3Dプリント業界の専門家は「セラミックがプリントに適さないため金属セラミック複合材料のプリントは非常に難しく、現在プリントが可能なセラミックの含有量は10%以下で、これ以上比率を上げるのは非常に難しい。これは世界的な課題だ」と話す。恒普激光の技術が画期的なのは、量産に成功した製品において3Dプリント部分のセラミック含有量が業界水準をはるかに超える点にある。

恒普激光の創業者である劉徳健氏は、従来の切削工具は耐摩耗層(主にセラミック)と耐衝撃層(主に金属)を直接溶接するが、恒普激光は3Dプリントによってセラミックを直接金属に埋め込むので明確な接合面がないと説明したうえで、「以前の溶接技術はかつらをかぶせるような方法で、接合強度は低い。レーザー埋め込み技術は植毛のようにセラミックを金属に埋め込むため、結合度が高い。市場で高評価を受ける大きな理由の一つだ」と語った。

恒普激光の切削工具の内部構造:鋼材とセラミックが完全に結合している

実際、工事現場では耐摩耗性が最も重視される。切削工具は地下鉄のトンネル掘り、インフラ建設、石炭採掘などの業界で最も重要な消耗品であり、中国での消費は毎年数百億元(数千億円)にのぼる。巨大市場であるものの、切削工具のハイエンド市場はスウェーデンのサンドビックや米ケナメタルなど欧米の大手企業が占めている。

恒普激光のコア技術の製品化は、このハイテク技術が市場に評価されていることを示す。金属セラミックを3Dプリントした切削工具は摩耗に強く、さらにじん性、耐衝撃性、コスト面で優れているという特徴がある。このほか、恒普激光の製品は従来の切削工具に比べコストコントロールしやすい。従来の切削工具は高価な原材料を使用して性能を上げているが、恒普激光の工具は3Dプリントの部分でコストが増加するものの普通の鋼材で高性能の製品を生産できるため、高性能、高効率、低コストという強みがある。

実用例の一部(左) 恒普の一部製品(右)

同社の切削工具シリーズは19年から毎年売り上げが倍増し、国有電力大手「国家能源集団(CNEG)」「中国交通建設集団(China Communications Construction Group)」「中国鉄路工程(REG)」など著名な国有企業と戦略的提携を結んでいる。同社は中国の重点プロジェクトで度々落札に成功した唯一の中国ブランドであり、一部の省や直轄市では米、独などの切削工具大手の独占を阻んでいる。

恒普激光のレーザー技術で製造した高性能の金属セラミック複合材料

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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