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電動二輪車などマイクロモビリティを手がける「Segway-Ninebot(セグウェイ ナインボット)」がコロナ禍で低迷するどころか成長している。2021年の売上高は前年比52.04%の伸びを示した。
近年、短距離移動ツールとして電動キックボードが人気だ。米ボストン・コンサルティングが昨年6月に発表したレポートは、世界の電動スマートキックボード市場は25年までに500億ドル(約6兆4000億円)規模に達するとの楽観的な予想を出している。
中国がサプライチェーンや人件費で優位にあること、一部の国で電動キックボードに関する規格や仕様が整備されたことから市場規模は安定して拡大してきた。現在、中国で生産される電動キックボードは主に欧米や日本に向けた輸出用が主だ。中国の市場調査会社QYResearchのデータによると、20年に世界で生産された電動キックボードは425万台で、うち中国製が85.52%にあたる364万台。次いで生産台数が多いのは北米で、全体の12.5%にあたる53万台を生産した。
こうした背景があり、Segway-Ninebotはコロナ禍でもむしろ成長を続けた。21年の売上高は前年比52.04%増の約91億2700万元(約1800億円)、純利益は同464.68%増の約4億1500万元(約82億円)だった。また、同社の電動キックボード事業の2017〜2020年の年平均成長率は132.22%だった。
事業モデル別に見ると、B2C事業では世界中に有するオンライン・オフラインチャネルを駆使し、電動スマートキックボードを直販で消費者に提供している。B2B2C事業では顧客企業と共同でコラボモデルを開発。フォルクスワーゲン傘下のSeat(セアト)、マセラティ、メルセデス・ベンツなどとコラボ製品を発表し、ラストワンマイルのソリューションを提供している。さらにSegway-Ninebotでは電動キックボードのシェアリングサービスも展開している。
ユーザーごとに異なるニーズに対応するため、Segway-Ninebotは通勤用電動キックボードのエントリーモデル(移動距離3〜30キロ)、同プロモデル(移動距離30〜60キロ)、高性能モデル(移動距離60〜100キロ)の3カテゴリーを設け、スマートフォン・IoT機器製造シャオミ(Xiaomi)傘下の家電ブランド「米家(MIJIA)」での展開に加え、自社ブランド「Ninebot」「Segway」を有する。
米家の製品はコストパフォーマンスを重視した若者向けのエントリーモデルで、Ninebotの製品はイノベーティブでありながら信頼性が高く、子供から青少年、大人までさまざまな年代のニーズに応える。Segwayの製品はプロフェッショナルに向けた冒険志向で高性能。エクストリームスポーツ愛好家や法人向けに展開する。
Ninebotが2015年にSegwayを買収して以降、同社のグローバル化戦略はさらに拡大した。現在までにアジア太平洋、欧州、アメリカの3大エリアで事業を展開し、230以上の国・地域で製品を販売している。21年上半期の売上高は約72億元(約1400億円)で、海外での売上高が全体に占める割合は45.11%と前年から僅かに増加した。
一部の国では電動キックボードに関する技術基準や交通法規が整備されているが、中国では未整備のため、生産台数は多くても国内で大規模に普及してこなかった。しかし昨年11月、中国で初めての「電動キックボード汎用技術に関する規範」の制定が始まり、電動キックボード産業は一つの転換点を迎えた。なお、この規範はNinebotが主導して草案が練られている。
中国でも電動キックボードに対する需要は急増を続けるとNinebotはみている。ただ、関連法規が完全に整備されるまでは欧州や北米、アジア太平洋の先進国を中心とした海外展開を主としていく方針だ。
(翻訳・山下にか)
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