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eVTOL(電動垂直離着陸機)開発のスタートアップ「WEFLY(斉飛航空科技)」が、エンジェルラウンドでの資金調達を公表した。中国ベンチャーキャピタル(VC)の「渶策資本(INCE Capital)」と「線性資本(Linear Capital)」が共同で出資し、「滄瀾資本(Canglan Capital)」が単独でアドバイザーを務めた。今回調達した資金は製品の研究開発や技術チームの拡充に充てられる。
WEFLYは設立されてまだ日が浅いeVTOLメーカーだ。中心メンバーは海外の有名な航空機メーカー出身者で構成され、それぞれが航空機の世界的プロジェクトの耐空証明取得を主導し、米連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)の型式証明や製造証明を取得した経験を持っている。
同社が製造するのは飛行機であって、いわゆる空飛ぶクルマとは異なる。100%電動で垂直に離着陸し、従来の内燃機関を動力とする固定翼の飛行機とは違って滑走路は必要としない。また、一般的なマルチコプターと比べると音が静かで航続距離が長いため、都市エリアの飛行や都市間を結んでの運行も可能だ。ビルの屋上や駐車場で離着陸ができ、運用コストはとても低い。
WEFLYはeVTOLについて、中国のマーケットサイズと新エネルギー技術の成熟度を考えると、中国が欧米と同じスタートラインに立つことができるまたとないチャンスだと捉えている。さらに政府の政策支援があれば、ゆくゆくは世界でも上位のメーカーになれることは間違いない。
WEFLYは早い時期にスタートを切ったこともあり、短期間で実行力やアイデアが世界一流レベルのプロジェクトチームを作り上げることを目指している。強力なチームと信頼性の高い技術力が手に入れば、安全性が高く耐空証明の基準をクリアする有人航空機を設計・製造できる。中長期的には、有人のeVTOLを運用して、空飛ぶ電動シャトルバスを実現するというビジョンを描いている。
技術面では、幾度となく実験で確認されている技術を採用するという。WEFLYは「どの技術を選ぶかはそれほど重要ではなく、メーカーとしてユーザーの要求に応じて最適な製品を作ることが求められる。eVTOLの肝は技術のブレイクスルーではなく、新しいシステムと伝統的システムの融合にあり、都市エリアの飛行や点と点を結ぶ都市間の移動という目的に合わせた技術を選んだ」と語った。
商用化を見据え、今後数年技術開発に照準を絞り、信頼性が高く、耐空証明の取得可能な飛行機の早期開発に努めている。狭い範囲での試験運行を実施し、徐々に貨物輸送や、医療・緊急物資輸送、観光地での試乗などのサービスを提供へと拡大する意向だ。
eVTOLは、点と点を結び、都市の渋滞を回避して移動時間を短縮するという運用を提案できる。量産コストは1台あたり1000万元(約2億円)で、価格面で競争力のあるサービスを提供できる。コストをさらに抑えれば、1年程度の稼働でコストを回収できる見込みだ。最大の価値は、他国を追い抜く絶好のチャンスを中国航空業界にもたらしたことにある。
eVTOLの業界にとって耐空証明の取得が最大の難関となるが、都市における空中交通として大規模な運用を実現しようというのだから、安全面では極めて高いレベルが要求される。これがクリアできれば、巨大なマーケットが広がる。
中国でも海外でも、まだ業界の競争という段階には至っていないが、欧米では逆買収により上場となった企業も登場して、業界の動きを加速する役割を果たしている。海外と中国では市場が全く異なるものの、いずれもブルーオーシャンであり、スタートアップが次々に誕生している。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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