ステレオビジョン活用した3Dセンシングに注力、自動運転技術開発「鑑智機器人」が約38億円調達

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ステレオビジョン活用した3Dセンシングに注力、自動運転技術開発「鑑智機器人」が約38億円調達

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自動運転用のセンシングソリューションを開発する「鑑智機器人科技(PhiGent Robotics)」が18日、シリーズAで3000万ドル(約38億円)を調達した。出資を主導したのは渶策資本(INCE Capital)で、Atypical Ventures、五源資本(5Y Capital)、金沙江創投(GSR Ventures)などの既存株主も追加出資した。また地平線投資管理(Deepshire Investment Management )が戦略投資家として事業化に向けた支援をしていく。今回調達した資金は中核技術の開発、高品質な量産化の実現、より幅広い商用化の実現などに充てられる。

鑑智機器人は昨年8月に設立されたばかりで、L2(部分運転自動化)およびL2+(より高度なL2)向けの量産化ソリューションおよび関連製品をリリースしている。共同創業者の都大龍氏によると、AIは音声認識AI、画像認識AIを経て、現在はより幅広い3D画像認識AIへと進化中だ。3Dビジョンのソリューションは拡張性に富み、ヒトの視覚と同様に環境情報を全面的に感知して構築できる。同社が技術的に難易度の高い自動運転分野から事業を始めたのは、3Dビジョンのソリューションを物理的世界のセンシングに適応させることで、汎用性の高いAIを作り上げていく目的からだ。

鑑智機器人は設立半年で三次元の視覚的理解を中核とする高度な自動運転ソリューションを完成させて発表した。第2世代ソフトウェアアーキテクチャーやエンドツーエンドのデータ駆動方式をベースとしたこのソリューションは、高度な自動運転性能にも上位互換し、基本的なADAS(先進運転支援システム)にも下位互換する自己適応力を持つ。都氏は「このソリューションはコストコントロールが可能で適応性も高く、モジュール単位で納品できるという特徴を持ち、リリース後ほどなくして多くのトップ自動車メーカーや主要ティア1(一次サプライヤー)に注目された。中国国内のトップメーカーが手がける自動運転車量産プロジェクトなど多くの提携案件を獲得している」と述べた。

同社は完全に自社の技術で開発した初の製品となるソフトウェア・ハードウェア一体型のステレオビジョン製品「PhiGent Heimdallr」を近くリリースする。現実世界への理解を強化することで自動運転車の立体的な前方検知能力をさらに高め、自動運転のレベルをさらに押し上げていく製品だ。

PhiGent Heimdallr製品画像と点群画像

世界市場ではメルセデス・ベンツ、スバルなどのメーカーがステレオビジョンモジュールで構成された3Dセンシングソリューションを導入した車種を発表している。

鑑智機器人も三次元の視覚的理解を中核とした自動運転向けセンシングの新規範「BEVDet」を独自に編み出し、昨年は自動運転業界のオープンソースデータセット「nuScenes」でピュアビジョン(カメラのみによる)3Dターゲット検出能力で世界1位にランキングされた。都氏によると、BEVDetの先進性は現在でも世界ランキングで高く評価されている。他の規範と比べて計算処理力の利用効率が高いことや必要なデータ量が少ないことが業界発展の現状や需要にマッチしており、自動運転車の量産化に重要な役割を発揮するという。

IT専門調査会社IDCのレポートによると、今年第1四半期の乗用車市場で、L2クラスの自動運転車の普及率は23.2%になり、市場全体がL2からL3(条件付き運転自動化)へ移行しつつある。今年は世界の自動運転市場が前年比14%増の1629億ドル(約20兆6800億円)規模となり、中でも中国市場が最も成長著しく、24%成長を果たすとの見方もある。
(翻訳:山下にか)

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