中国の4大AIユニコーン「雲従科技(CloudWalk)」が上場 調達目標額に遥か及ばず

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中国で「AI四小龍」と呼ばれる「雲従科技(CloudWalk Technolgy)」が先月27日、上海証券取引所のハイテクベンチャー向け市場「科創板(スターマーケット)」に上場した。公募価格は15.37元(約299円)で、上場当日は最高56.95%上昇。2日始値は27.0元(約524円)となっている。

雲従科技は上場と同時に2022年1〜3月期の業績報告も行った。売上高は前年同期比67.02%増の2億1300万元(約41億円)で、純損失は同45.52%減の1億1600万元(約23億円)だった。

雲従科技は2015年に設立されたAI企業で、HITL(Human-in-the-Loop、人間参加型)のオペレーションシステムやAIのソリューションを顧客に提供する。AIに関わるコア技術を100以上開発し、研究開発人員が全体の50%以上を占める企業で、子会社も含めると昨年末時点で316件の特許を取得している。

同社のプロダクトは金融、ガバナンス、モビリティなどの分野で導入されている。スマートファイナンス分野では中国の6大国有銀行を含む100以上の金融機関をカバーするほか、スマートガバナンス分野では国内の30の省クラスの行政区画で司法・立法、学校、景勝地などに活用されている。スマートモビリティ分野では国内の10以上の空港を含む100以上の民間ハブ空港で導入され、スマートシティ分野では広東省広州市、四川省、湖南省など複数で「デジタルインフラ」のモデルプロジェクトが進められている。

事業はすでに実用化が進んでいるものの、中国のAI企業はいずれも黒字を実現しておらず、雲従科技も例外ではない。同社が提出した目論見書によると、同社の売上高は19年が8億700万元(約157億円)、20年が7億5500万元(約147億円)、2021年が10億7600万元(約209億円)で、純損失は19年が6億9000万元(約134億円)、20年が8億4400万元(約164億円)、21年が6億6400万元(約129億円)だった。

研究開発費も重しになっている。19年は4億5400万元(約88億円)、20年は5億7800万元(約112億円)、21年は5億3400万元(約104億円)で、売上高に占める割合は19年が56.25%、20年が76.59%、21年が49.67%だった。

高額な研究開発費と現在も続く赤字が影響し、資金調達もままならないようだ。雲従科技は今回の上場で約17億2800万元(約336億円)を調達したが、当初の計画ではこれより20億元以上多い37億5000万元(約730億円)の調達を目指していた。

「AI四小龍」のトップに立つセンスタイム(商湯科技)はすでに香港市場に上場しているが、株価は上場直後に高騰したもののその後は低迷している。AI四小龍の株価はAI技術の実用化スピードと相関関係にあるようだ。
(翻訳・山下にか)

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