自宅がパーソナルジムに。いつでも、どこでも、安く受講できるオンラインジム「VIPFIT」

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中国では今年、パーソナルジムの運営企業に投資が集まっている。「光猪圏健身(SunPig)」がシリーズA+で5100万元(約8億5000万円)を調達したほか、「Hey Heroes(千意尭)」「超級猩猩(SUPERMONKEY)」などが資金調達に成功している。

オンラインでマンツーマン体制のパーソナルレッスンを提供する「VIPFIT」も注目株の一つだ。プロのインストラクターによるレッスンを自宅で受講でき、場所や時間に縛られないシステムが売りだ。

創業者のJason氏はジム経営経験者。ジムは店舗面積ごとの売上に限界があり、飲食店のようにテイクアウトなどで収益を得ることも不可能なため、オンラインレッスンの運営に移行したという。

パーソナルトレーニングをオンラインに移行した理由とオンラインレッスンの質について、Jason氏は以下のように説明する。

オンラインレッスン立ち上げの理由について:
1)プライベートレッスンの需要は十分にあり、需要の伸びも順調である。フィットネス市場はすでに1000億元(約1兆6600億元)規模に迫っているが、中でもプライベートジムの需要は大きい。北京、上海の2都市ではジム全体の約7割をプライベートジムが占めており、すでに成熟した市場を形成している。

2)たとえフィットネスインフルエンサーにまで上り詰めても、人気インスタラクターが高単価な収入源を確保することは難しい。VIPFITはオンラインの利点を生かし、彼らと受講者との迅速なマッチングを行って、彼らの顧客確保を支援する。また、地方都市在住の顧客も地理的な問題に関係なく、質の高いパーソナルレッスンを受けることができる。

3)従来型のジムは物件賃料などのコストが高い。オンラインジムはこれらを削減した分、受講料を安くしたりインストラクターに還元したりできる。

オンラインレッスンの質について:
受講環境を向上させるため、受講者にはカメラ用三脚、iPadまたはスマホ用広角カメラ、Bluetoothイヤフォンを支給する。

また、専用アプリを通じて、オンラインレッスンならではのサービスも提供する。レッスンで使用するBGMは各自にカスタマイズされたプレイリストを共有できるほか、リモート操作が可能だ。

さらに、スマートブレスレットで受講者の心拍数や消費カロリーをリアルタイムで計測する。レッスンの効果は数値化してアプリで共有されるほか、インストラクターが交替した際にもレッスンプランを迅速に引き継げる。

スマートデバイスや端末技術は急速に進化しており、将来的にはウェアラブル端末と3D映像による遠隔指導の実現も十分可能だという。VIPFITでは心拍数計測ベルトなど独自のデバイスを開発中で、年内にも導入する予定だ。

VIPFITはオンラインジムの成功企業になれるか

オンラインレッスンに関しては、英会話に特化した「VIPKID」の成功例がある。

教育市場は1兆元(約16兆円)規模の巨大マーケットだが、地域性があるため市場シェアは分散している。二大トップ企業の「新東方教育科技集団(ニュー・オリエンタル・エデュケーション・アンド・テクノロジー・グループ)」や「好未来教育集団(TALエデュケーション・グループ)」のシェアも1%にとどまる。そんな中、VIPKIDはネイティブ講師による英会話レッスンに特化し、明確な差別化を打ち出して成功した。

実はジム市場も大規模なチェーン展開をするトップ企業が不在で、小規模のジムが多数を占める状況は教育市場と似ている。ただし、市場規模の急速な拡大により、将来的にユニコーン企業が現われる可能性は大いにある。

実店舗を構えるジムと異なり、受講者にとってオンラインレッスンは受講時間もフレキシブルに設定でき、受講場所の制限もない。また、地方都市在住者でも優秀なインストラクターに恵まれる機会が持てる。受講料も安く済む。VIPFITの場合は1レッスン188元(約3000円)だ。

ただし、オンライン運営は顧客獲得コストが高くなる。VIPFITでは人気インストラクターによる無料体験レッスンでファンを獲得するとともに、カスタマーサービスにも力を入れている。現在のところ体験レッスン受講者の約半数が入会するという。

昨年8月、VIPFITはエンジェルラウンドで「梅花創投(PLUM VENTURES)」から資金を調達し、現在はプレシリーズAの準備段階にある。
(翻訳・愛玉)

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