ライブ配信大手「YY(歓聚時代)」、シンガポールの同業「BIGO」を1600億円で買収

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ライブ配信プラットフォーム大手の「YY(歓聚時代)」は今月5日、シンガポールを拠点にライブ配信などを手がける「BIGO (BIGO Technology Pte. Ltd.)」の全株式を同日付で取得すると発表した。買収額は約14億5000万ドル(約1600億円)。

YYは以前からBIGOの株式約31.7%を保有しており、今回はYY董事長兼CEO代行の李学凌氏の保有株を含む残り約68.3%を取得する。昨年6月、同社はBIGOが実施したシリーズDの資金調達で優先株式を2億7200万ドル(約303億円)で取得し、BIGOの筆頭株主となっていた。

BIGOは2014年にシンガポールで設立され、ライブ配信プラットフォームの「BIGO Live」、ショート動画SNSプラットフォームの「LIKE」のほか複数のSNSアプリを運営する。現在、同社は東南アジア、南アジア、中東、南北アメリカなどの市場で優勢を占めており、昨年末時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は全世界で6900万人だった。収益面では2017年10月に黒字化を果たしており、同年の売上高は3億ドル(約334億円)に上った。

BIGOはYYが海外進出するために作られたとみられ、前出の李氏はBIGOのCEOも兼任していた。中国でライブ配信サービスの一般ユーザー及び有料ユーザーの伸びが鈍化する中、YYは早くから海外市場を見据えていたのだ。

今年1月に開かれたYYの年次式典でも、李氏はグローバル化が今年の重点戦略のひとつだと明らかにしていた。同社CFOの金秉氏も「BIGOとYYの場合、1足す1が2以上になる」とし、BIGOの発展は非常に見込みがあると語っていた。

BIGOがYYのグローバル化における重要な勢力となることも計画の一部だった。李氏にとって、BIGOの買収はYYの重要な節目であり、グローバル化への自信とコミットメントの表明でもある。

李氏は今回の買収について、「BIGO Liveは中国以外の市場において、娯楽全般のライブ配信サービスで主導的な地位を築き続けており、LIKEもショート動画市場でユーザー数の急増と視聴時間の持続的な伸びを実現している。YYとBIGOが中国と海外双方で強みがある事業を組み合わせることは、YYがより質の高い配信コンテンツを生み出し、国際的な影響力を高めることに役立つ。また、世界中のユーザーコミュニティーに世界一流のユーザー体験を提供することで、YYは世界トップクラスの動画SNSプラットフォーム企業になる」と語っている。

アプリ開発者向けソリューションプロバイダーの米「Sensor Tower」は先月27日、中国製動画・配信関連アプリについて、今年1月の海外でのApp StoreとGoogle Playでのダウンロード数と売上上位20社を発表。YYはその両方に最も多くの製品をランクインさせた企業になった。

YYは5日付けで2018年第4四半期(10~12月)決算も発表。売上高は前年同期比28%増の46億4100万元(約770億円)、純利益は前年同期の7億4000万元(約122億円)を下回る6億8400万元(約113億円)だった。同社の株価は同日、ナスダックの時間外取引で4.29%高と大幅に上昇した。(翻訳・池田晃子)

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