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人工知能とロボットを駆使したインテリジェントオートメーション(IA、高度な自動化)を手がける「鎂伽科技(MEGAROBO)」がシリーズCで3億ドル(約400億円)を調達した。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、亜投資本(Asia Investment Capital)、紀源資本(GGV Capital)がリードインベスター、既存株主のスタートアップインキュベーター創新工場(Sinovation Ventures)、シンガポールの蘭亭投資(Pavilion Capital)、米Starr Capitalがコ・インベスターとして参加した。今回の資金はライフサイエンス(生命科学)分野のIA研究や生産能力の拡充、事業拡大とグローバル化推進に充てられる。
鎂伽科技は2016年設立、協働ロボットの開発からスタートし、生命科学や臨床診断などのIAソリューションを提供するようになった。その範囲は単純な作業工程の自動化から、大型システムで複雑なプロセスを踏んで処理する完全自動化のソリューション、さらにAI医薬品開発に提供する次世代生命科学のインフラとシステムにまで及ぶ。
同社の作業自動化ソリューションは、AIソフトウェア、分析機器、実験室用機器や消耗材を全てひとつのラボシステムに集約し、さまざまな工程と実験の連携を実現したものだ。抗体の選択、細胞系開発、分子スクリーニングなど生命科学の各応用分野において、これまでよりも効率的でより安定した実験結果を導き出し、すでに世界各国で発売され運用されている。
例えば3次元構造のミニ臓器「オルガノイド」は、新薬研究開発の際に細胞モデルや動物モデルの代わりとなり、スクリーニングや毒性試験に使用して医薬品の開発期間を短縮できる大きなポテンシャルを持つ。しかし、現在はオルガノイドを培養して大規模に生産することは難しく、そこにオートメーションとAIが介入するポイントがある。鎂伽科技はオルガノイドの培養からテストまでの全工程を自動化して、まとまった量を安定して効率的に製造でき、一度に数千個の心臓オルガノイドの製造が可能だという。
また同社はIAラボ「鯤鵬実験室(MEGALAB)」を開発、生命科学分野の最先端の研究を行う。すでに新薬研究開発ではオルガノイド、細胞遺伝子治療、遺伝子組換え、化学合成、神経再生などに関して以下のような重要な進展があった。
1つ目は、バイオ企業「賽拉達生物科技(CELLada)」と提携、標準化したオルガノイドの大規模培養、テストを実現し、多くの病院や製薬企業と提携して研究を進めていることだ。すでに価値の高いオルガノイドモデル数十種類の培養に成功しているという。
2つ目は、生命科学、診断、応用化学分野のトップ企業「アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)」と戦略的提携を結び、共同で合成生物学、バイオ医薬品開発、エネルギー化学工業などの自動化ソリューションを開発していくことだ。また、バイオ医薬品研究開発サービスのソリューションプロバイダー「測簡奕科技(AccuMea)」と提携しmRNA(メッセンジャーRNA)やウィルスベクターなどの検査・解析を標準化・自動化するプラットフォームを作り上げて、ベクター開発作製の時間とコストを削減した。
3つ目は、自社で開発した全自動分子生物学実験プラットフォーム「MegaMolecule」を利用して大規模なプラスミド(染色体DNAとは別に独自に増殖できるDNA分子の総称)バンクを作り、同じく自社で開発した全自動細胞生物学実験プラットフォーム「MegaCell」と組み合わせ、手作業の数十倍もの速さで標準化された細胞フェノタイプ(表現型)の画像とオミックスデータ(生体分子を網羅してまとめた情報)を蓄積したことだ。これを基にして、同社は遺伝子編集とフェノタイプに関わる巨大なデータバンクを作っており、機械学習で医薬品と遺伝子の関連を分析して研究者に提供、医薬品研究開発を大幅に効率化させている。
同社が開発する製品の60〜70%は、過去に蓄積した技術をモジュール化して組み合わせたもので、20%ほどはソフトウェアのパラメーターを調整すれば完成するため、納品スピードが速いという。
鎂伽科技は、まず生命科学に最も詳しい自動化サービス企業になり、そして自動化に最も詳しい生命科学企業になるという二段階の目標を掲げている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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