バッテリー交換式貨物自動車の「全路程」が資金調達、電池生産拠点も稼働

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バッテリー交換式貨物自動車の「全路程」が資金調達、電池生産拠点も稼働

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貨物自動車のレンタルなどを手掛ける「全路程物流科技(Truck Rental、全路程)」がシリーズBで1億元(約20億円)近くを調達した。「徐州市工業園区」によって設立された「徐州市智創産業投資基金」が出資を主導した。

調達資金は生産能力の増強、技術開発、営業担当者の拡充に充てられる。今回の資金調達によって全路程は、電池(バッテリー)交換式新エネルギー車事業を本格的に進め、同分野の新勢力となる見通しだ。

同社は貨物自動車の関連サービスを提供する企業として、5000台に上る車両を管理・運用している。貨物自動車のレンタル、金融、販売、メンテナンス、オンライン管理というエコシステムを構築。これまで数回にわたり資金を調達してきた。

全路程は2020年から電池交換式新エネルギー車事業に参入し、電池交換式貨物自動車と電池モジュールの自社開発の方向性を模索した。2年にわたる市場調査や担当者の編成、経営資源の再編などを経て、21年後半に電池交換式貨物自動車の開発に成功した。

また、独自の生産施設を建設しており、江蘇省徐州市にある電池モジュール生産拠点は6月1日に操業を開始。同拠点は向こう2年にわたり、数万台の電池交換式貨物自動車の電池生産およびメンテナンスができるという。

創業者の黄鳳南氏は「電池交換式自動車の登場は、貨物自動車におけるガソリンから電気への転換という問題を解決し、従来型新エネルギー車に見られる購入費の高さ、バッテリー消耗の大きさ、車両運用効率の低さなどの課題を改善する」と話した。

ある統計によると、中国に民間の小型貨物自動車は2000万台以上あるが、うち新エネルギー車の割合は2%前後にとどまる。新エネルギー車への移行が進めば、都市部の新エネルギー貨物自動車市場は1000万台以上の規模になる見通しだ。

全路程の標準電池は軽トラック、ワンボックスカーなど様々なブランドの車種に対応する。電池交換ステーションについては、自動ではなく設備を製造しやすい電池交換式を採用し、すでに約100カ所の物流パークと提携の意向をまとめた。

同社が自社開発した電池交換ステーション「換電宝」は必要な敷地がわずか1.2平方メートルと、電池交換のハードルを大きく下げ、物流パーク、物流拠点、給油所、充電ステーションなど様々な場所に迅速に設置することができる。

全路程は電池と車体を分離させた「車体購入+電池レンタル」サービスを展開し、車体のコストを半分近くに下げるのと同時に電池の減衰問題を解決する。また、駆動用バッテリーの蓄電池化を実現するために多くの企業と提携している。一方、数社の上場物流企業と試験運用を開始し、数千台の車体購入契約を締結。今年の車体販売台数は1万台近くに上る見込みで、今後は提携企業を増やして電池交換式貨物自動車のエコシステムを構築していく計画だ。
(翻訳・大谷晶洋)

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