テスラがCATLと電池供給交渉 サプライチェーン現地化を摸索

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EV企業にとって、動力電池のコスト高は依然として問題だ。パナソニックと長年提携してきたテスラは、現在他の電池メーカーとの協力を計画している。

3月11日、ブルームバーグは、テスラが上海工場で生産するEV車用動力電池供給について、中国の電池メーカー「寧徳時代(CATL)」と交渉していると報じた。

スイスの投資銀行UBSの2018年末のレポートによると、動力電池は電気自動車の製造コストの25~40%を占めている。

テスラとCATLが動力電池について契約を結ぶことができれば、テスラの中国生産におけるサプライチェーンの現地化を実現し、アフターマーケットにもプラスの影響を及ぼす。

長きにわたりテスラはエネルギー密度の高いパナソニックの三元系リチウムイオン電池を使用してきた。テスラモデルSの航続距離は1回の充電で平均590キロと、満タンにしたガソリン車の航続距離に匹敵する。この性能にはパナソニックの電池が大きく貢献している。

動力電池には主にリン酸鉄リチウムイオン電池と三元系リチウムイオン電池の2種類が使われる。前者は後者より安全だが、エネルギー密度が低く、航続距離が短い。

CATLはリン酸鉄リチウムイオン電池と三元系リチウムイオン電池の双方を生産していたが、航続距離に対する市場の需要が徐々に高まるとともに三元系リチウムイオン電池の販売量が増加し、パナソニックの競合企業になった。

テスラの注文を獲得すれば、CATLの三元系リチウムイオン電池技術はパナソニックの動力電池に劣らないことが証明できる。

しかし、パナソニックに比べ、CATLの三元系リチウムイオン電池のコストはやや高い。UBSのレポートによると、テスラが使用しているパナソニックのバッテリーは111ドル(約1万2000円)/kWhで業界1位の低コストだ。一方CATLは150ドル(約1万6000円)/kWhを超え、パナソニックだけでなく、韓国LG、サムソンをも下回る業界4位だ。

CATLのバッテリーの高コストはサプライチェーンの現地化不足と関係がある。
テスラがCATLとバッテリー供給について交渉したとしても、パナソニックのバッテリーを使用しないというわけではないだろう。CATLにとっては、国内のサプライチェーンが構築され、国内市場が発展すれば、コストを下げることができ、競争優位性を獲得できる。

UBSは「2020年頃中国の動力電池メーカーにはより多くのビジネスチャンスがあり、2,3年以内にパナソニックとのコスト差は10%以内にまで縮まる」としている。そうなれば、テスラも中国生産において大幅なコストダウンができる。

2018年、テスラは中国での販売台数が2万台を超えたが、売上高は前年比15.4%減少した。2018年末まで、テスラは中国で三回値下げしている。

テスラ上海工場は早ければ今年年末までに稼働する見込みだ。第一段階の生産規模は2018年新車販売台数を超えるおよそ25万台を予定している。
(翻訳:小林香奈子)

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