スマートファクトリー建設をサポートする「百子尖(Apogee Tech Group)」

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2014年に創業した「百子尖科技(Apogee Tech Group)」は、米国カリフォルニア州サンチアゴと中国杭州に開発センターを持ち、ハイグレードシミュレーションシステムとそこから派生するソリューション及びディスクリート製造業の工業外観検査ソリューションを展開するスマートファクトリーサービス企業である。同社は、2019年純利益が1億元(約16億6070万円)に達し、IPOを開始する計画だ。

「バーチャルデジタルファクトリー」を形成する

化学工業、電力、原子力工業等のプロセス製造業は、プロセスと装置が複雑で操作のエラー許容率が低いといった特徴がある。新たに導入されるプロセス、工業技術に対して、十分な安定性の保証を要求する一方、新たに入職した従業員に対しては十分な訓練を施して高い技能を保証することも必要だ。

この問題に対して、百子尖は顧客企業の製造の全プロセスに対してモデリングを行い、デジタル化したバーチャル工場を形成するハイグレードシミュレーションシステムを通じて、顧客企業に主として3つの価値を提供する。
■ 人員と資産の安全を確保する。リアルタイム、没入型のバーチャルトレーニングにより、オペレーターが予めリアルな操作プロセスや技術などを実習でき、潜在的安全リスクを低減することができる。
■ 効率を高めてコストを削減する。新しい工業技術、プロセス、アルゴリズムが導入される際、予め環境シミュレーションテストを行い、実行可能性と効果を検証してから実施することができる。
■ 生産安定性を高める。生産モデルに基づいて制御システムを設計することで工場稼働の安定性を強化する。

シミュレーションシステムの難点は複雑なシステムのモデリング

モデリングには2つの側面が含まれている。一つは誰もが容易に想像できる物理的形態の3次元モデリングだ。この作業の技術的難易度は高くないが、全体的に作業量が多い。より困難なのは物理的、化学的な特性等が含まれる複雑なシステム内部で動作するメカニズムのモデリングだ。簡単に言うと、各システムモジュールの「入力」と「出力」の関係モデルを見つけ出すことだ。百子尖のソリューションは「モデル」がはじき出すデータと実際の生産データとの誤差が3%を超えないことを保証するものだ。

現在、シミュレーションシステムソリューションはプロジェクトのモデルに基づいて料金をとっている。客単価は数十万元(数百万円)程度から千万元(1億円)以上となっており、代表的な顧客企業は「中国石油化工集団公司(Sinopec Group)」、「中国石油天然気集団(China National Petroleum Corporation)」、「中国海洋石油総公司(China National Offshore Oil Corporation)」、「中国核工業集団(China National Nuclear Corporation)」等だ。

2000+メートル/分の高速生産ラインに使用可能な外観検査

工業外観検査技術は人件費の削減、検出効率と品質の向上につながるため、多くの生産現場で使用されている。市場調査のBCC Researchと関連データによると、マシンビジョンの世界市場は2桁のハイスピードで成長しており、2023年には2000億人民元(約3兆円)に達する。

百子尖のビジョン製品は多くの分野、例えばハイグレード機能性フィルム、プリント基板PCBおよび銅箔基板(CCL)、ハイグレードメタル、不織布、新エネルギー電池等で使用されている。公式資料によると、百子尖のビジョン製品は自社開発したアルゴリズムと検出チップにより、ビデオ画像を640M/秒でリアルタイム処理が可能であり、2000+メートル/分間の高速生産ラインに使用でき、大量の瑕疵画像データを高速検出する処理ができるという。

百子尖のビジネスモデルは、ソフトウェアとハードウェアのパッケージ製品を販売するプランを採用している。現在は直販を主としており、客単価は数十万元(数百万円)程度から百万元(1千600万円)以上であり、自動車メーカー比亜迪(BYD Auto)、一般消費財メーカーP&G、中国最大のアルミニウム生産・販売業者中国鋁業(中国アルミニウム)、電子部品メーカー生益科技(Shengyi Technology Co., Ltd.)等が主な顧客だ。

百子尖の組織についてみてみよう。同社の全世界での開発者数は200名以上だ。創業者兼CEOの葛銘氏はかつてフォーチュン・グローバル500社にランクインする多国籍企業の研究所ジェネラルマネージャーおよび事業部ジェネラルマネージャーを務めていた。CTOの沈井学氏は以前IBMアジア太平洋地区のシニアマネージャーを20年以上務めていた。

今、百子尖は新たなシリーズの資金調達をスタートさせており、そこで調達した資金は主に開発と市場拡大に充てる予定だ。
(翻訳・桃紅柳緑)

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