新興EVメーカーSITECH(新特汽車)が新しいブランドをリリース 業界勢力図が変わる

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中国の新エネルギー自動車(NEV)メーカーが続々と納車段階に入っている。市場における競争の焦点は、サービスの優劣に移行していきそうだ。

新興EVメーカー「新特汽車(SITECH DEV)」は、会員向けサービス制度を「特飯」と命名し内容を一新したと発表した。CEO先越氏の紹介によると、「旧来の通販サイトをリニューアルし、EC、イベント、『カスタマイズ』、コミュニティ、ウォレット機能の5項目を刷新した。今後、会員は商品のカスタマイズや特別優待、試乗会などを楽しめるようになる。さらに、会員が自主的にイベントやコミュニティを立ち上げたり、専用アカウントによるクレジット決済を利用したりすることなども可能だ」という。

同社の旧通販サイトではすでにポイントシステムが導入されていた。ユーザーは製品購入、新規ユーザー紹介、、コミュニティ内でのプロモーション活動などを通じてポイントを獲得したり、会員ステータスがランクアップされたりする。また、同社はシャオミ(小米科技)の通販サイト「小米有品」、民泊仲介サービス「小猪短租 ( xiaozhu.com )」、オンライン英語教育「 VIPKID」、総合旅行サイト「驢媽媽旅行網(lvmama.com)」など13のパートナーと提携し、戦略的な契約を結んだ。

同社のスマートカー・IoVセンターの肖華東総経理によると、同社の車載OS「SITECH D・OS」はこのほど、 2.0バージョンを発表した。メーカー側の情報が車やカーオーナー側に一方的に流れる1.0バージョンと比べて、両者の間にインタラクティブなコミュニケーションが生まれることになったという。同社初のEV「DEV1」のユーザーは1日平均20回以上同OSにアクセスし、携帯電話アプリを使って1日平均5回以上車の操作を行っていることが分かった。

2.0バージョンでは、専用の車載ツール「飯聊」を通じて、カーオーナー間のソーシャル機能を実現できるのみならず、ユーザーは近くにいる「飯友(ファン同士)」を見つけ、交流の輪を広げることができる。

新特汽車は2018年、国営メーカー「中国第一汽車集団(China FAW Group)」から品質保証のお墨付きを得て、DEV1の販売を開始した。高級車との正面対決を避けるために、DEV1は初めてマイカーを購入する3~4級都市在住の若者や、通勤用の車を必要とする1~2級都市在住者などをターゲットにした。 また、1~2級都市では交通渋滞緩和のためにナンバープレートによる進入規制を行っている地域もあるが、DEV1は自家用車がナンバープレート規制の対象となった日の代行車両として使用することも想定されている。

しかし、中国の新エネルギー車に対する補助金政策はを段階的に縮小されており、新エネルギー車が持つ価格の優位性も下がりつつある。さらに高級車ブランドの値下げ、既存メーカーからの市場参入などの要因が重なると、新興EV メーカーは、価格だけでの勝負では立ち行かないため、よりよいサービスを提供することが必須となる。今後、これらのメーカーにとっては、量産体制の確立がが最も重要になる。
(翻訳:小林香奈子)

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