中国発のスマートごみ分別装置、AIと光電子工学で高効率の識別を実現 日本でも投入

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中国発のスマートごみ分別装置、AIと光電子工学で高効率の識別を実現 日本でも投入

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資源ごみスマート分別装置を開発する「弓葉科技(Databeyond Technology)」がシリーズAで約1億元(約20億円)を調達した。リードインベスターは達晨財智(Fortune Capital)で、既存株主の経緯創投(Matrix Partners China)も参加した。これまでに経緯創投からプレシリーズAで、華創資本(China Growth Capital)からエンジェルラウンドで資金調達している。今回の資金は東莞市での研究開発や新工場建設に充てられる。2021年より稼働している工場と合わせて工場面積は約15ムー(約1万平方メートル)となり、1年間に分別装置を約1000セット製造する。

中国では資源ごみ回収・再利用業が急速に発展しているが、分別の精度が低く、業界としての管理規則がない。また、小規模な業者の回収作業はずさんで、標準化されていない。スタッフの高齢化も著しく、労働力の確保が難しいといった問題を抱えている。弓葉科技のスマートごみ分別装置は、プラスチックや資源ごみ、生活ごみ、建設廃棄物等に利用可能だ。

弓葉科技の創業者である莫卓亜氏によると、世界の資源ごみ回収業界は現在極めて大きなチャンスと変化の局面を迎えている。相次ぐ政策の恩恵を受ける一方で、政府は業界に対しルール化、環境への配慮、標準化などを求め、将来の発展に向けた基準を次々に打ち出している。業界としての課題も業者を悩ませており、特に業界をリードする企業では発展モデルや改革の方針を真剣に考えざるを得ない状況にある。

一般的なロボットビジョンだけでごみを正確に分別するのは難しいが、弓葉科技はAIと光電子工学を融合し、2Dや3Dカメラと組み合わせたAIアルゴリズムにより、重なっている、くっついている、固まっている、破損している、変形しているといったものだけでなく、特定の特徴を備えた廃棄物を識別する。スペクトルセンサーやレーザーセンサー、X線、蛍光センサー、高速分光システムなど、数々の光学技術を用いて、スピーディかつ正確に、効率よく、対象物の素材を判別し、キズの有無などを識別する。

AIと光電子工学を融合した技術

弓葉科技はハイパースペクトルセンサー、AIプラットフォーム、深層学習ソフトウエアプラットフォーム、製品ライフサイクル管理ソフトウエア、固形廃棄物ビッグデータ、などのコア技術を独自に開発した。特殊な分野、例えばプラスチック袋や薄いプラスチックシートの分別では、オプトメカトロニクス(光学、機械工学、電子工学を融合させた技術)に流体力学をプラスするなど多くの学際融合を実現している。莫氏は、AIと光電子工学の融合がスマート分別装置で最も重要な技術になると考えている。そして、より機能的なビッグデータ分析プラットフォームの構築、コストパフォーマンスに優れた光電センサーの開発、AIと光電子工学の融合による優位性の発揮、これらをいかに実現するかで競争になるとみている。

弓葉科技の資源ごみスマート分別装置は中国国内各地、日本やロシアなど海外でも販売されており、すでに数百台を納品している。
(翻訳・36Kr Japan編集部)

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