大都市の駐車場難を救う駐車ロボットRAYを北京新空港に導入

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大都市の駐車場難を救う駐車ロボットRAYを北京新空港に導入

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中国では、自動車保有台数の増加と都市部用地の減少に伴い、駐車場不足が深刻化している。特にショッピングモール、ビジネス街、空港など車が集まる場所では、駐車するのも、駐車場で自分の車を探し出すのも一苦労だ。また、自動車製造工場での車両管理においても、自動化やスマート化による人件費削減や生産効率向上が急務である。

2018年に創業した「麗亭智能(LTSMART)」は、駐車難を解決するスマートパーキングシステムソリューションを提供するスタートアップ企業だ。ドイツServa Transport Systems GmbH社の駐車ロボット「RAY」のシステム及び技術をアジア太平洋地区で初めて導入した。

RAYは今年9月30日に開港予定の北京大興国際空港での運用が決まっている。麗亭智能の創業者兼CEOの姜鈞氏によれば、第1段階では、2台のロボットを導入し、約150~200か所の駐車スペースに対応させるという。

具体的な操作方法は、駐車の際、運転手が空港内の所定のステーションに車を停め、スマホで端末のバーコードをスキャンし、車を離れるだけ。RAYは読み取ったデータを元に自動的にサイズ調整し、車を持ち上げて適切な駐車スペースまで移動していく。出庫の際、車主がスマホまたはタッチパネル端末で「出庫」ボタンを押すだけで、RAYは車を時間通りにステーションまで運んできてくれる。

RAYは車に合わせてサイズを自由に調整することができ、2.5~6mの車に対応できる。姜氏によれば、RAYの最高速度は秒速3m以上、充電は40分以内に完了できる。充電後6時間以上の連続使用が可能だという。

RAYが正常に動作した場合、従来型の駐車システムと比べ、車主が駐車スペースを探す時間や出庫時間を節約できる。さらに、駐車場の面積が同じ場合、駐車可能な台数が最大60%も増加する。

RAYの取付け工事は2~4週間で完了できる。平坦でない地面にも対応するため、既存の駐車場に対して整地工事を施したり、レールやパレットを設置したりする必要もない。

今回中国で初めて採用されるRAYだが、ドイツでは2014年からデュッセルドルフ空港で、2015年からドイツの自動車メーカーアウディ本社工場で運用が開始されている。国外ですでに5年の運用経験を積んでいるとはいえ、中国国内で成功するかどうかは未知数だ。これに対し姜氏は、中国国内の駐車場の実情に合わせてRAYのデザインや機能を改良してきた上、サプライチェーンの最適化と量産効果によってコストも抑えられると語る。

麗亭智能のビジネスモデルは、スマートパーキングシステムソリューションのセール&リースバックと連合運営の2種類だ。連合運営とは、初期の固定資産投資を望まない駐車場経営者に対し、同社が共同経営を行い、利益配分を享受するというシステム。姜氏によれば、この2つのビジネスモデルのプロジェクトがすでに実現したという。

姜氏は、英国ケンブリッジ大学でインダストリアル・エンジニアリングを、オークランド大学でメカトロニクスを学び、フォーチュン500にも選ばれたドイツのヘンケルや信邦(Sinbon)での勤務経験があり、これまで数多くの国際的プロジェクトやチームマネジメントに携わってきた。(翻訳・桃紅柳緑)

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