自動運転技術のコストダウンに挑む「創昂智能」 自動運転商用車の量産を目指す

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自動運転に必要なセンサーのうちLiDARの価格の高止まりは、自動運転車の量産を実現するうえで障壁となっている。この問題を解決すべくイスラエルの「Mobileye」が開発したのが、画像認識によるマッピング技術REM(Road Experience Management)だ。REMを搭載すれば自動運転車のルーフ上にLiDARを取り付ける必要はなくなる。

自動運転技術を研究する「創昂智能(TRON)」もREMと同様の性能を持つ技術を開発している。当初は乗用車向けの開発だったが、現在では商用車にも範囲を広げている。

2017年に設立された創昂智能は、ECU(電子制御ユニット)を使った車両の電子アーキテクチャとインテリジェント化の研究開発を行っており、基準に適合した「車載用」で低コスト、量産可能という点がセールスポイントだ。

同社の創業者兼CEOの鄧恒氏によると、REMは低コストだが、自動運転技術の開発会社はこれまでほとんど手を出してこなかったという。その理由は、LiDARを取り除くとセンサーやシステムの統合を含む車両全体の設計に影響が及ぶが、インターネットや学術界出身のベンチャー企業はそれに対処するだけの経験を持ち合わせていないためだ。一方、鄧恒氏と創昂智能チームの半数は自動車メーカー出身だ。

鄧恒氏によれば、大部分のミドル・ハイエンド車には複数のセンサーが取り付けられているが、同社のソリューションなら既存のセンサーをベースにECUとREM技術を搭載するだけで、商用車の自動運転レベル2を実現することができるという。

ECUは自動車システムの中でも大脳に相当する重要な部分だ。同社のECUは機能安全規格ISO26262とSOTIF(Safety Of The Intended Functionality)に適合したデュアルシステムを採用しているため、片方に不具合が生じても、もう片方で安全な作動を保証できる。

現在、同社は複数の自動車メーカーと提携して、自動運転レベル3に準ずる商用車とレベル3の乗用車を開発している。2018年初めには、鉄道車両メーカー「中国中車(CRRC)」と共同で商用車のレベル3に準ずる自動運転システムの開発を始めた。2019年の夏か秋頃には運用を開始する計画だという。

鄧恒氏はこう語る。「これらの商用車システムはレベル3に近いとはいえ、完全なレベル3ではない。人に代わって運転してくれるものではなく、運転手の負担を軽減するためのものだ。そのため自動運転モードであっても運転手は道路状況に気を配る必要があり、電話やメールはできない」

創昂智能は2018年4月にエンジェルラウンドで「火山石投資(Volcanics Venture)」などから数百万ドル(数億円)を調達している。

鄧恒氏は上海交通大学で自動車工学修士課程を修了し、自動車メーカーや自動車部品メーカーで12年の経験を持つ。共同創業者のAllen氏はカリフォルニア大学バークレー校ロボットビジョン専攻の教授だ。中心チームの半数は自動車業界の出身で、残り半数はコンピュータビジョンアルゴリズムの分野で長年の経験を持つ。
(翻訳・畠中裕子)

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