オンラインとオフラインの融合 小児医療の「小蘋果兒科」クリニックが朝陽分院を開設

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中国初の小児科専門メディカルグループで、オン・オフラインの小児医療サービスを提供する「小蘋果兒科医生集団(Healthapple)」が、また新たな拠点を築いた。

2019年3月23日、小蘋果兒科医生傘下のクリニック「小蘋果昆育兒科診所」朝陽門分院がオープンした。首都兒科研究所(Capital Institute of Pediatrics)に隣接する好立地で、小児医療サービスを提供する。同グループは、北京・上海・广州・深圳・杭州等5都市にオフライン診療所を開設しており、朝陽門分院は7カ所目となる。

クリニック内部(記者撮影)

これまでと同様に「小而美(特定の狭いターゲット層に絞って、そのニーズに対し極めて上質なサービスを提供する)」スタイルを受け継いでおり、約200平方メートルの小さな場所で、主に小児内科、小児内分泌科、眼科、口腔科などの医療サービスを提供する。クリニック責任者の黄涓氏は、「当院では同じビル内の医療機関と提携しており、複数の診療科目の専門医が連携して診察に当たるため、2時間で視力、口腔、身長、聴力など一般的な検査が全てでき、その後の治療等にも対応できる」と説明する。

クリニックの価格帯は、国立病院の、特別待遇で医師の指名も可能な特需外来と同水準だという。医師のレベルにより主治医師200元(約3300円)、副主任医師300元(約4900円)、主任医師400元(約6600円)から選べる。北京兒童医院や首都兒科研究所出身の常勤医に加え、小蘋果兒科医生と契約した300人を超える小児科医がいる。また、民間のハイクラス小児科医院と連携し、休日にしか受診できない患者に対し、ワンストップ型の診療サービスを提供する。

今後の事業見通しについては、完全予約制と「小而美」スタイルの運営により、人件費等のコストを削減できるので、およそ半年で黒字転換できる見込みだと言う。

2014年10月に設立された小蘋果兒科は当初、小児科専門のメディカルグループとして発足。現在ではオフラインのクリニックを開設したほか、銀川市インターネット病院の営業許可証も取得し、「オンライン―オフライン―再びオンライン」という構図を作り上げた。創業者の路博氏は、「小蘋果は、クリニックと連携して検査や治療等のオフライン医療サービスを行うほか、オンライン小児健康相談や慢性病患者のサポートなど多くのオンラインサービスを提供している」と語る。

中国では、長期にわたり小児科医が足りず社会問題となってきた。今でも、児童2000人あたりに小児科医たった一人という少なさだ。また、小児科医の報酬の低さも課題である。合理的な運営で、医師が適正な報酬を得られるよう改善することが急務である。

黄涓氏によれば、小蘋果兒科が開発した「兒医答」は、オンライン医療サービス「好大夫在線」に似たツールで、医師が空き時間にオンラインで患者の質問に答えたりできるという。「和睦家(United Family)」や「美中宜和(amcare)」など私立産婦人科病院にQ&Aツールを提供するなど、外部向けサービスにも力を入れる。インターネット病院ができてから、小蘋果兒科は処方箋、オンライン再診等でユーザー層を拡大した。

現地の写真

また、小蘋果兒科集団は、保険会社「中信保誠人寿(CITIC Prudential)」と小児の健康や早期のスクリーニングで提携したと発表。中信保誠人寿側は、核家族は同社にとって重要なサービス対象だと説明した。

具体的な提携内容について、「中信資本(CITIC Capital)医療基金」の馮唐氏は、2年前から、子供がかかる病気の予防や対応策に関する健康情報コンテンツを共同で配信していると説明する。今後は、オフラインプロジェクトでも手を組んで行くと表明した。中信資本は、小蘋果兒科がシリーズBで資金調達した時のリードインベスターである。

このほかにも、「健全な成長―医療普及」プロジェクトに参加。関連政策の周知を行い、正確で役立つ健康情報をオン・オフラインで発信していく。
(翻訳:貴美華)

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