Q&Aサイト「知乎」が期待を寄せる「塩選会員」サービス、現状では不十分

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Q&Aサイト「知乎」が期待を寄せる「塩選会員」サービス、現状では不十分

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Q&Aサイト「知乎(Zhihu)」は先ごろ、「塩選会員」(厳選会員の意。中国語で「塩」と「厳」は同音)サービスを開始した。会員特典は「知乎live講座」など有料コンテンツ関連、画像付きコメントやキーワードブロックなどコミュニティ関連、会員限定マークやプロフィール表示など会員情報関連の3方面に及ぶ。

「塩選会員」導入の背景には会員システム戦略の立て直しがある。知乎は2018年に知識データベースサービスの「知乎大学」で、有料サービスの「読書会会員」と「スーパー会員」という制度を導入した。この時から会員サービス事業は同社の戦略的成長目標の一つとなり、将来的には広告事業と並んで同社の重要な収益モデルになるとされていた。しかし、業界関係者によると、今でも同社の主な収益源である広告事業の業績が思わしくないという。このため、同社は重心を会員サービス事業に置くことにしたようだ。

同社が大きな期待を寄せる「塩選会員」とは一体どんなものか。実際に体験してみたところ、現状では満足できないという感想を抱いた。インターフェースは操作性に欠け、コンテンツの運営も行き届いておらず、知乎のコミュニティの延長線上にあるものとしながらも、コミュニティの特性がまだ十分に発揮されていない。

他社の有料会員資格も付帯、会員ランクは切り替え可能

「塩選会員」は3月21日に正式にリリースされた。「塩選会員」年間カードを購入したユーザーは、ECサイト「京東(JD.com)」の「京東Plus年間カード」に加え京東のアプリで動画共有サイト大手「愛奇芸(iQIYI)」のVIP会員資格も入手できる。年会費198元(約3300円)を支払うだけで合計3社の有料会員になれるのだ。ちなみに、京東と愛奇芸の年会費はともに198元(約3300円)であることから、1つ分の値段で3つ買うのに等しい。

知乎は、これまでに「スーパー会員」と「読書会会員」になっていたユーザーへの対応にも努めているようだ。同社によると、既存の「スーパー会員」は自動的に新たな「塩選会員」にランクアップされ、「読書会会員」は毎月12元(約200円)の差額を支払うだけで「塩選会員」にランクアップできるという。

差別化を諦め、厳選することは正解か

同社が「塩選会員」を導入した目的は、価値のあるコンテンツを提供し、膨大な情報から厳選し必要な情報をユーザーに届けることにある。しかし、カテゴリーで分類されただけのコンテンツは依然として膨大で、「厳選」のはずが結果的にどのユーザーに対してもほぼ変わらない内容を提供している。コンテンツの厳選は、選択困難な状況からユーザーが抜け出すのを手助けするためのものだが、「差別化」という意識が欠落している。同社と同じく有料のナレッジ共有サービスを手がける音声コンテンツ共有プラットフォーム「喜馬拉雅(ximalaya.com)」や愛奇芸では、ユーザーの好みを分析し、カスタマイズしたコンテンツが表示される。一方、知乎の会員サービスにおいて、差別化された推奨が行われている様子はうかがえない。

コミュニティのコンセプトを堅持

知乎の創業者兼CEOの周源氏は「塩選会員」発表時、会員とコミュニティ・コンテンツ、コミュニティ・プラットフォームを融合させるとしていた。会員事業部トップの張栄楽氏は、コミュニティの特典は今回の会員アップグレードの中で最も重要な部分であり、有料コンテンツと会員情報という2つの特典は、実際のところコミュニティ機能のための特典だと説明し、「いずれもユーザーが信頼できる回答を効率的に得ることを後押しする」との認識を示した。

「コミュニティ機能」で得られる特典はキーワードブロック、コメントへの画像添付、個人ページでのトップ表示機能など日常的な体験向上につながる機能だ。また、会員限定マークやプロフィール表示など会員の属性に関する特典もコミュニティ特有のものだ。

ユーザーは「コメントへの画像添付」機能に期待を寄せる

ユーザーインターフェースが不親切

上記の通り、実際に体験してみたところ、「塩選会員」サービスの操作性はまだ十分とは言えなかった。このことはユーザーの利用意欲に直接影響するだろう。

また、「塩選会員」サービスへの入口が目立たない。画面最下部のナビゲーションバーの中心に配置され、「トップページ」などと同じ灰色の文字で表示されており、よく見ないと見つけられない。

会員ページへの入口

「会員」をクリック後、左右にスクロールすることで「会員おすすめ」、「講座」、「読書会」の3画面に切り替えられる。「講座」・「読書会」のページでは、「職場トレーニング」・「人文芸術」など10カテゴリーからひとつを選び、それからスケジュール表を閲覧するという操作が毎回必要だ。また、「講座リスト」には「お気に入り」登録機能が無いことから、講座をスケジュール表に追加するときは講座紹介ページまで戻って操作しなければならず、操作の手順が多いためにユーザーは途中でやめてしまう。

アプリの操作性が不親切なのは知乎の昔からの問題点だ。「塩選会員」制度の下、どのように優良コンテンンツの価値を最大化し、ユーザーの購買意欲を高めるのか。同社には現段階でまだ工夫すべきことがあるだろう。
(翻訳・池田晃子)

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