IoT用OS開発の「卓晟互联」がプレシリーズAで数千万円調達  IoT用アプリの開発促進をめざす

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IoT用OS開発の「卓晟互联」がプレシリーズAで数千万円調達  IoT用アプリの開発促進をめざす

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IoT(モノのインターネット)用ハードウェア、OS開発などを手がける「卓晟互联(JOSH)」が先ごろ、プレシリーズAで数百万元(約数千万円)を調達したことがわかった。出資者は「海貝資本(Seashell Capital)」。

モバイルインターネットが急成長した大きな要因はスマートフォンの誕生だ。アンドロイドやiOSといったOS(オペレーティングシステム)に基づき、大量の開発者が自身でアプリを開発し、スマホの種類の制限なくユーザーに提供できることがモバイルインターネット向けアプリの繁栄を促した。

スマホの発展ぶりに比べ、IoT関連製品は「ガラケー以前」の段階にある。製品のソフトウェア機能は基本的に工場出荷時に固定されている。アプリ開発とハードウェアが緊密に結びついており、第三者の開発者がハードウェア用のアプリを開発するのは難しい。これがIoTのソフトウェアやアプリの開発プロセスを長引かせ、コストを押し上げ、エコシステムを閉塞的なものとしている。

こうした問題を解決するには、ソフトウェア開発者に配慮された、相対的に統一されたIoTのOSを用い、ソフトウェア開発のプロセスをハードウェア開発から切り離す必要がある。そうすれば、OSに基づいて迅速にアプリを開発することができ、IoTのハードウェアとソフトウェアがお互いに束縛されることもなくなる。

「モバイルインターネット向けソフトウェアの開発体験をIoTの世界にも」を目標に掲げ、卓晟互联は2018年にJOSH(JOSH Open Smart Hardware)OSを発表した。

2段階に分かれたビジネスモデルと拡張戦略

卓晟互联CEOの王瑞鵬氏は同社のビジネスモデルと拡張戦略について、2段階に分けて説明した。

第1段階は「Push」、宣伝と普及だ。セルラーIoT用チップ、WiFiモジュール、MCUモジュール、DTU(データトランスファーユニット)など、JOSHを搭載したハードウェアの販売促進活動を行う。これらのハードウェアは顧客のIoT関連製品をOSを備えた「スマート」製品にアップグレードするほか、ハードウェアの総合的なコストを引き下げるのに役立つとしている。

第2段階は「Pull」、需要を引き出すことだ。ハードウェアの販売促進活動を通じて、JOSHが市場で主流のIoT用ハードウェアプラットフォームに搭載されるようになり、幅広い開発者に受け入れられるようになっても、同社は引き続きJOSH用アプリ、ミドルウェアとクラウドサービスの発展と、IoT用ソフトウェアとクラウドサービス市場に注力していく方針だ。これらのソフトウェアとサービスがJOSHのさらなる普及につながるとみている。

高度な技術が求められるOS開発、卓晟互联はなぜ可能

王氏によると、卓晟互联の技術系創業メンバーはIoT各分野のベテランや専門家で構成されているという。中国移動(チャイナモバイル)、モトローラ、オラクル、「Alibaba Cloud(アリババクラウド)」、ファーウェイ(華為技術)といった大手出身で、OSや仮想機械(VM)の中心的な開発スタッフとしてのキャリアがある。また、モバイルインターネット業界の経験がある若者もおり、IoT用ハードウェア設計、ターミナルソフト開発、クラウドプラットフォーム、ビッグデータ、業界向けアプリケーションなど各方面の技術を持つ全方位型のチーム構成になっている。

今回の資金調達で出資者となった海貝資本は、現在のIoTシステムの大半はネットワーク設備にとどまり、インターネットの属性を持たず、真の「モノのインターネット」ではないと指摘。一方、JOSHは組み込みシステムや通信モジュールにJavaを採用することでアプリを開発できるようになっており、こうした技術的特性はIoTのOSとして理想的な選択肢になるとの認識を示している。
(編集・池田晃子)

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