シニア層にフォーカスした「糖豆」がシリーズCで資金調達 テンセントも参入するシルバー市場が活況へ

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シニア層にフォーカスした「糖豆」がシリーズCで資金調達 テンセントも参入するシルバー市場が活況へ

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「広場舞(広場ダンス)」を楽しむ中年女性向けコンテンツで急成長する中高年向けコミュニティー「糖豆(Tangdou)」がシリーズCで資金を調達したことがわかった。インベスターは、テンセント(騰訊投資)、「紀源資本(GGV Capital)」、「順為資本(Shunwei Capital)」、「IDG資本(IDG Capital)」で、ファイナンシャルアドバイザーは引き続き「泰合資本(TH Capital)」がつとめた。糖豆は今回のラウンドを含め累計1億ドル(約110億円)の調達に成功している。

2015年に広場舞ビジネスが大流行し、無数の広場舞アプリがリリースされたが、スポーツ経済メディア「懶熊体育(Lanxiong Sports)」の2017年度調査では、初期にシルバー産業へ参入した企業の多くは早くも苦境に陥っていたという。広場舞ビジネスの創業者たちは当時から、2017年には業界の淘汰が始まると考えており、多くのユーザーを囲い込み、持続的な成長を遂げる企業だけが生き残れるとの認識を持っていた。

調達資金による糖豆の事業発展の歩み

1.まず、ダンス学習ツールを通して、コア・ターゲットであるリーダー層を取り込むことに成功。常に新しいダンスを教えたいというリーダー層が、ダンス動画をアップ、これを見た一般ユーザーがダンスを覚え、コンテンツをシェアするという流れを確立。糖豆は全国の著名振付師の98%以上が利用するなど、市場をほぼ独占している。

2.シリーズB以降、サービスの枠を広げた。糖豆アプリにミニプログラムを導入し、アプリ以外にもネット上で情報発信したり、オフラインの交流イベントを開催したりするなどサービスを拡大。現在、オフライン拠点は2万を超え、オフラインユーザーは月間50万人に達した。

3.ダンス以外のコンテンツを拡充。創業者の張遠氏は、中高年向け文化コミュニティーを展開するには、この年代のニーズを満たすことが必要と考えた。日常生活で使うコンテンツを揃えた結果、一日の平均アプリ使用時間は増加した。

糖豆アプリ(上)とミニプログラム(下)

収益化への戦略

中国は高齢化社会を迎えており、シルバー層の購買力が経済をけん引して基幹産業にまで発展するとみられる。「新時代における人口老齢化への積極的対応発展報告2018」によれば、中国のシルバー市場は2020年までに3億7900万元(約62億円)、2050年までには60億元(約990億円)に達する見込み。

しかし、中年女性はそう簡単にお金を落としてくれないようだ。広場舞ビジネスの創業者たちは観光やeコマースを足がかりにしようと試みたが、思うような成果は得られなかった。

これについて張遠氏は、それはプラットフォームに対する信頼の問題だと考える。人は、ネット上の見知らぬ人に薦められるより、近所の知り合いが良いと薦めるモノを買ってみようという気になる。これがカギである。

糖豆はミニプログラムを使った小規模なeコマースのテストをおこなっている。リーダー層を介した販売代理モデルだ。現状、糖豆は広告とオフラインブランドの連動型マーケティングが主な収益源だが、将来的には直接サプライチェーンと連携して、独自の中高年向け販売チャネルを構築したいと考えている。

シルバー産業メディア「AgeClub」の分析では、中国のシルバー市場のうちビジネスチャンスといえるのは、オン・オフラインの文化レクリエーション領域だという。その次が、中高年向けeコマースだ。中高年のショッピングの場がテレビショッピングからオンラインへと変遷するのに伴い、中高年向けECプラットフォームは「タオバオ(淘宝)」が出現した時のようなボーナス期を迎えている。

糖豆が目指すのは、まずシルバー層向けのオン・オフライン文化レクリエーションサービスを提供してユーザーの心を掴み、プラットフォームに対する信頼を勝ち得ることだ。その上で独自の販売チャネルを構築し、インフルエンサー(KOL)を活用してマーケティングを行うのだ。しかし、シルバー層だけに絞ったこの戦略で、大手プラットフォームと競合し生き残れるだろうか。

今回の資金調達について、インベスターである騰訊投資のマネージングパートナー李朝睴氏は、「糖豆は中高年向けの新しいソーシャルツールだ。糖豆が業界のリーディングカンパニーとして、中高年の生活をいっそう彩り豊かなものにしてくれることを願っている」と語った。紀源資本のマネージングパートナー李宏瑋氏は、「糖豆が、4億人以上の中高年にフォーカスしたNO.1プラットフォームになると信じている」と述べた。
(翻訳:貴美華)

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