衛星IoTを導入したスマートヘルメットで緊急時の有効性向上へ  「LIVALL」など3社の合同プロジェクトが始動

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4月23日、「2019年中国航天大会(CHINA SPACE CONFERENCE 2019)」の「商業宇宙産業シンポジウム(China Commercial Space Symposium)」で、3社合同による衛星IoTスマートヘルメットプロジェクトが発表された。参加するのはスマートヘルメットを開発する「LIVALL」、民間航空宇宙企業「Spacety(天儀研究院)」、ロケットの動力システムを開発する「霊動飛天動力科技(S-Motor)」。

霊動飛天副総経理の王君褀氏はシンポジウムの中で、「この衛星IoTスマートヘルメットプロジェクトを通して、プラットフォームやユーザー、コアシステムを広くカバーする宇宙産業サプライチェーンの効果的なモデルを模索していく」と述べた。同プロジェクトで、霊動飛天は省エネかつ高品質の衛星姿勢軌道制御(AOCS)動力システムを提供し、衛星を確実に軌道投入できるよう力を注ぐ。

LIVALLはこれまでも多機能スマートヘルメットの開発に注力してきた。合同プロジェクトの衛星IoTスマートヘルメットはサイクリングや登山、秘境探検での使用を想定しており、強度の高いABS樹脂と発泡スチロールで軽くて丈夫なヘルメットに仕上がっている。またモバイルアプリやハンドル部に装着する小型コントローラーを使えば、ウインカー機能の付いたライト、衝撃を感知すると緊急メッセージと位置情報を自動送信するSOSアラート、ブルートゥース通話などが可能になる。

これまでの同社のスマートヘルメットはモバイル通信を利用して位置情報と緊急メッセージを送信するため、秘境探検や登山時など電波の悪い場所では緊急時にすぐさまメッセージを送信することができなかった。LIVALLのCEO鄭波氏は、「この問題を解決するには衛星ネットワークが必要だと判断した。これこそが本プロジェクトの目指すところだ」と語る。

3社提携のイメージ

Spacety副総裁の杜志貴氏はシンポジウムで、このシステム作動の仕組みを大まかに説明した。「衛星IoTを活用した救援システムでは、超小型衛星を利用して宇宙から地上の情報を集める。例えば、このヘルメットから緊急メッセージが送信された場合、信号の復調処理を行ってコントロールセンターに伝送し、すぐさま救援の指示が出されるのだ」

さらに3社は戸外で救援を行うための技術試験衛星を開発し、衛星を利用した救援の実現可能性を探っていく計画だ。

この構想を実現させるには、解決すべき3つのポイントがある。まず衛星を確実に軌道投入し、地上との安定した通信を確保すること。次にリアルタイムでデータ採取とフィードバックを行うこと。そのためには複数の衛星を配置する衛星コンステレーションでインターバルを最小限にすることが必要だ。最後に低コスト、低価格での運営を実現すること。

中国の宇宙ビジネス企業の発展状況を見る限り、衛星の製造や打ち上げの技術は限られている。それなら、複数企業が手を結んで衛星を「シェア」することが、衛星コンステレーションの構築を進め、運営コストを抑える近道かもしれない。
(翻訳・畠中裕子)

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