工業用部品B2Bサイト「万千緊固件」がシリーズAラウンドで約7億円調達

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工業用部品B2BECサイトを手がける「万千緊固件(Wanqian Jingujian)」(旧社名:万千工品)が、シリーズAで4500万元(約7億2000万円)を調達したことがわかった。リードインベスターを務めた「博信基金(Boxin Capital)」のほか、「不惑創投(Buhuo VC)」と「前海母基金(QIANHAI FOF)」が出資した。

万千緊固件は2015年設立。工業用ファスナー(ネジなどの締結部品)に特化した直営のB2B(企業間取引)向けECサイトを運営し、顧客がワンストップで部品を調達できるサービスを提供している。2018年末時点で、取引実績のある顧客は累計数十万社、年間売上高は数億元(数十億円)規模にのぼり、なおかつ黒字を維持している。

工業用ファスナーは基本的部品であり、活用範囲が広く、業界の総生産額は3000億元(約4兆8000億円)近い。業界の特徴は以下の通りだ。

■膨大なSKU(ストック・キーピング・ユニット):工業用ファスナーのSKUは億単位にのぼる上、アイテムごとに製造工程も異なることから、メーカー1社あたりのSKU数が少なく、規模も数百万元(数千万円)と小さい。業界には数万社のファスナーメーカーがひしめく。

■市場集中度の低さ:数万社のメーカーに加え、取扱業者の数も数十万社にのぼる。業界トップクラスの企業でも市場シェアは1%未満だ。工業用ファスナーの利用者は国内だけで百万社を超え、ワンストップ型サービスのニーズはあるが、客単価の低さと供給サイドのアイテム数が限定的なことから、ニーズに応えるのが難しい状況だ。

■意思疎通の難しさ:使用場面、使用方法の違いなどから、同一製品に対する説明が使用者ごとに異なり、購入者・供給者間での意思疎通が難しく、発注内容を確認するのも至難の業となっている。現在、このパイプ役を担っているのは経験豊富な個人商店の店主だが、彼ら一人一人の取引先は数が限られ、仕入れ先も少ない。このため、BOM(部品表)に記載されたアイテムを揃えるにはそれぞれの仕入れ先から調達することになり、効率が悪く、コストもかさむ。

こうした業界の状況に対応するため、万千緊固件は膨大な顧客との取引経験を基に、商品を説明する際の「業界用語」をとりまとめ、発注内容の確認プロセスのAI化、サプライチェーンのIT化、データ化に向けた基盤を整えた。

同社は3年を費やし、実践経験に基づき、業界向けSaaS型管理システムを自社で開発した。数万社の仕入れ先を一括して取引システムに組み入れ、供給サイドの生産能力、在庫、価格の規格化とデータ化を実現し、ワンストップで調達できない、価格が高いといった需要サイドの不満をITで解消する。同社によると、発注確認やサプライチェーンマネジメントをデジタル化することで、取引の効率を50%以上向上させ、コストを20%以上削減できるという。

なお、今回の資金調達の出資者は、同社について、馬明CEOをトップとして業界で10年以上の経験があり、顧客の多様なニーズをとりまとめて大口発注を生み出すなど、経営能力が高いと評価している。
(翻訳・池田晃子)

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