再上場も視野の中国「luckin coffee」、スターバックスの王座は奪えず

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再上場も視野の「luckin coffee」、スターバックス中国の王座は奪えず

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中国のコーヒーチェーン「luckin coffee(瑞幸咖啡)」の「成長神話」はまだ続いている。

2022年7〜9月期、 luckin coffeeの売上高は前年同期比で65.7%と大幅に伸び、32億9800万元(約640億円)だった。4〜6月期の70%にはわずかに届かなかったものの、成長性は業界全体で見れば依然として優れている。収益改善も進んでおり、調整後営業利益は6億9300万元(約120億円)で、営業利益率は15.0%と初の二桁になった。

36Krは luckin coffeeの売上高が7〜9月期にもスターバックス中国を追い越して国内首位に立つと予想していたが、これはお預けになった。

新型コロナの感染状況が安定してくるにつれて多くの店舗が営業を再開したため、スターバックス中国の業績もやや上向き、7〜9月期の売上高は6億9600万ドル(約970億円)だった。前年同期よりは後退したものの、4〜6月期比では29%伸びている。7〜9月期、スターバックス中国の既存店売上高は前年同期比16%減だったが、luckin coffeeの既存店売上高(直営店)は反対に19.4%増となった。

luckin coffee直営店の既存店売上高の伸び率

luckin coffeeはコロナ禍の影響で7月から8月にかけ、1日平均108店が営業停止となり、9月に入ると1日300店ペースに増加した。しかし全体の利益率に影響することはなく、7〜9月期の直営店の営業利益率は29.2%となり、4〜6月期から若干下がったものの前年同期比では4%増となった。

利益率の上昇は商品価格値上げと関係がある。昨年12月には1000店以上でデリバリー商品、店舗受け取り商品のいずれも約3元(約60円)値上げし、現在では1杯の価格は17元(約330円)前後となっている。

直営店の売上高は7〜9月期までに前年同期比53.9%増の27億元(約520億円)となっている。直営店数が5343店であることから計算すると、1店舗の月あたりの売上高は16万8000元(約330万円)で、スターバックス中国の27万5000元(約530万円)には及ばないが、両者の差はこの1年で約30%縮まった。

luckin coffeeは中国で店舗数最多のコーヒーブランドだ。7〜9月期には新たに651店を出店し、総店舗数は7846店に、今年に入ってからの新規出店数は1822店になった。スターバックス中国の総店舗数は6021店で、7〜9月期の新規出店数は260店だった。

過去の「粉飾決算」が及ぼす負の影響も徐々に薄れている。7〜9月期、取引捏造および組織再編に関する損失・費用は前年同期比87.8%減の920万元(約1億8000万円)にまで縮小した。安静CFOは決算発表後のカンファレンスコールで、luckin coffeeが過去に起こした問題に関わるすべての訴訟案件が23年1〜3月期末には終了すると述べ、再び上場を目指す可能性にも言及した。

しかし資本市場の反応は薄い。luckin coffeeの店頭市場での株価は22日、4.21%下落して17.99ドル(約2490円)で引けた。

郭瑾一会長兼CEOがカンファレンスコールで明かしたところによると、luckin coffeeは12月にも地方市場で新たに経営パートナー募集を始めるという。低価格市場でシェアを握る「蜜雪冰城(Mixuebingcheng)」などライバルからの攻勢に反撃していくとみられる。

業界調査レポートによると、luckin coffeeのフランチャイズ店の投資回収期間は多くが12〜18カ月で、業界平均の18〜24カ月より短い。現時点でluckin coffeeは直営店を60都市、フランチャイズ店を230以上の都市で展開しており、フランチャイズ店をさらに増やせば新たな成長ステージに入るかもしれない。

(翻訳・山下にか)

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