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中国国有発電大手、国家電投集団(SPIC)傘下の水素エネルギー企業「国家電投集団氫能科技発展有限公司」(以下、国氫科技)が12月8日、シリーズBで45億元(約880億円)の調達を完了した。調達額は中国の水素エネルギー企業が実施したエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)では過去最大。評価額は130億元(約2530億円)に達し、業界最大のユニコーン企業となった。出資者は「国開製造業転型昇級基金」「国家緑色発展基金(NGDF)」など11の投資機関で、同社の株主数は35に増えた。
国氫科技は2017年5月に設立され、水素製造装置、燃料電池およびそれらの主要部品を製造している。22年10月には、本社を北京市大興区に移転。同区内で9億8000万元(約190億円)を投じ、24年の竣工を目指して水素エネルギーの試験・生産拠点「北京氫能中試与生産基地」を建設する計画となっている。同基地には、年産1トンクラスの燃料電池触媒の生産ラインのほか、カーボンペーパーの調製ラインや膜電極生産ラインなど7つの生産ラインを設ける計画で、生産高20億元(約390億円)を見込んでいる。25年の売上高は50億元(約980億円)を超える見通しだという。
中国国家発展改革委員会は22年3月に発表した「水素エネルギー産業発展中長期計画(2021〜2035年)」で、水素エネルギーが将来の国家エネルギーシステムの重要な一部分になるとの考えを明確に示した。また、25年までに「国内の燃料電池自動車を約5万台とする」「水素ステーションを一定数設置する」「再生可能エネルギーによる水素製造量を年間10〜20万トンとする」といった段階的な目標を提示した。
中国の水素エネルギー専門メディア「氫雲鏈」の統計によると、22年に中国で実施された水素関連の資金調達は、9月時点で24件以上、調達額は総額34億元(約660億円)を超えており、主に燃料電池分野に集中しているという。11月22日には、水素燃料電池大手「国鴻氫能科技(Sino-Synergy Hydrogen Energy Technology)」が香港証券取引所に上場申請書類を提出し、上場手続きを正式にスタートさせている。
*22年12月14日のレート(1元=約19.5円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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