テンセント、デジタルツインマップを発表 交通インフラのデジタル化を加速

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中国IT大手のテンセント(騰訊)が11月末に2022年デジタルエコシステムサミットを開催し、スマート交通とスマートモビリティ分野の最新の成果を発表した。

その中で、交通業界向けにデジタルツインマップを発表した。このマップは高精度のマップ、デジタルツイン、BIM/CIM、センサ・フュージョンなどの分野におけるテンセントの技術的優位性を融合したもので、交通インフラのデジタル化の加速に資する。

自動車業界向けには「自動車・マップ・クラウドソリューション」を発表し、専用のクラウドプラットフォームで自動運転に必要なマップの更新と位置情報サービスを提供する。

テンセントグループ副総裁、テンセントスマート交通およびモビリティ総裁の鐘翔平氏は「中国でスマートカーが急速に発展しているのは、それに対応する自動車、道路、都市の情報を連携させるインフラシステムの構築を進めているからであり、これが中国の自動車産業の高度化と交通強国戦略を推進する重要な原動力になるだろう」と語った。

テンセントはインダストリアル・インターネットの商用化としてスマート交通を重視してきた。交通分野に参入以来、テンセントの「リアルタイムのデジタルツイン+交通OS」を特徴とした情報インフラは、すでに軌道交通、高速道路、空港、港湾などで実践を積み重ねている。

実践する中で、テンセントは未来のデジタルマップは交通情報のリアルタイムでの検知、過去情報の表示、シミュレーションなどの能力を備えるべきだと認識した。これがデジタルツインマップにつながった。

テンセントによると、デジタルツインマップは高精度のマップ、デジタルツイン、 BIM/CIM、高精度の測位などの技術を使用して現実世界の交通インフラとリアルタイムの交通情報を直観的に表示する。

テンセントのデジタルツインマップの技術はすでに天津、重慶、成都、深圳などコネクテッドカーのパイロットエリアやモデルエリアで実際に利用されている。交通情報、IoT設備や車両の通行状況を反映し、さらに路車協調システムとナビゲーションマップの情報を盛り込んだデジタルツインマップは、GLOSA(Green Light Optimized Speed Advisory、青信号の情報を捉え安全な信号通過のため適切な速度をドライバーにアドバイスする機能)や、歩行者、自転車、バイクなど交通弱者との衝突の危険を知らせるアラームなどの運転支援サービスを提供する。

また、テンセントは「自動車・マップ・クラウドソリューション」を発表した。自動運転車が大量に走るようになると自動運転プラットフォームは自動車メーカーの標準装備になる。テンセントが発表した「自動車・マップ・クラウドソリューション」は自動運転に必要なマップの更新サービスと位置情報サービスを提供する。

テンセントの自動車・クラウド一体化ソリューション

自動車・マップ・クラウドソリューションはマップをカスタマイズして更新する機能や位置情報サービスを提供するため、自動運転の運営の質や効率を高めるのに資する。

テンセントは、クラウドやマップなどのコアコンピタンスをめぐり自動車メーカーやモビリティ関連のテック企業100社以上と提携している。例えば、中国の電気自動車(EV)メーカー「NIO(蔚来汽車)」にスマートマップや自動車・マップ・クラウドなどの能力を提供している。

従来の製造業に比べ現在の自動車業界はクラウド利用の需要がより鮮明で多様化している。しかし、この分野は中国IT大手アリババ、中国IT大手百度(バイドゥ)、ファーウェイ、TikTok中国版「抖音」を運営するバイトダンス(字節跳動)も狙っている。今回テンセントが新しい戦略を発表し、自動車分野のクラウドをめぐる競争が一層激しくなるだろう。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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