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「00後(2000年代生まれの若者)」のソーシャルネットワーク利用はすでに目新しいトピックではない。
セコイア・キャピタル・チャイナが発表した「2018年版2000年代生まれの娯楽消費全般に関する研究報告」によると、チャットアプリのWeChat(微信)やQQ、中国版ツイッター「微博(Weibo)」、マッチングアプリ「陌陌(MOMO)」などの人気が依然として高く、前三者のアプリでユーザーの大半がカバーされている。
しかし、2000年代生まれの70%以上は3つ以上のソーシャルアプリを利用していることから、新しいアプリにも希望はあると言えるだろう。価値観が同じユーザーとのマッチングを売りにしている「Soul」や徹底した匿名性で「ストレスフリーソーシャル」を打ち出している「一缶」などのアプリが頭角を現している。
WeChatでは一部の利用者の間で「モーメンツ(タイムラインに相当)離れ」が進むなか、QQはあの手この手で若者を引きつけようとしている。
5月初め、QQが2000年代生まれのユーザーに関するリポートを発表。2018年第3四半期(7~9月)、第4四半期(10~12月)における21歳以下の月間アクティブユーザー数(MAU)はそれぞれ16%、13%増加した。QQによると、さらなる「楽しさ」を実現するために、デザイン、絵文字、ゲーム、アニメなど若者向けの機能を強化し、若年層のユーザーを惹きつけているという。
趣味仲間でグループを作る若者の「小さな世界」
2000年代生まれの若者は、上の世代のようにオフラインの人間関係をオンラインに持ち込むことはない。彼らはバーチャル世界の住民であり、同じ趣味を持つ者同士で集まる。アイドルの追っかけや、アニメ、ゲーム、コスプレなど同じ趣味を持つ者こそが「仲間」なのだ。
セコイア・キャピタルのデータによると、2000年代生まれの7割がネット上で独自の「ソーシャルグループ」を持っている。このグループは趣味ごとに細分化されており、ゲーム、小説、アニメのグループの比率が最も高い。
ACG(アニメ、漫画、ゲーム)のコンテンツはすでにQQ全体に浸透している。ACGコミュニティーだけで3億3000万ものユーザーがいるのだ。2018年、QQは漫画コンテンツのプラットフォームだった「QQ動漫」を「波洞星球(boodo)」にバージョンアップした。波洞星球はACG愛好家たちのコミュニティーとなり、漫画、アニメ、ゲーム、コスプレなどをカバーしている。
見知らぬ人こそが孤独を癒してくれる
完全な一人っ子世代として、2000年代生まれの若者たちはより積極的に孤独を癒やす方法を探している。2018年、QQの趣味グループの中で2000年代生まれの若者たちの間に「拡列(友達追加の意)」の動きがみられ、このトレンドはQQの製品アップグレードの際に機能として取り入れられた。今年3月、QQはモーメンツの目立つ位置に見知らぬ人を友達に追加できる「拡列」機能のアイコンを追加している。
拡列の利用方法として最もよく見られるのは、拡列ページにレコメンドされているグループに加わり、そのメンバーを友だちに追加する方法だ。拡列が利用される目的は主に二つ。一つはソーシャルネットワークの構築と、もう一つは同じ趣味を持つ友達を探すことだ。
若者のソーシャル:変わりゆくものと変わらないもの
2000年代生まれの若者はネットの利用時間が最も長い世代だ。スマホの圧倒的な普及、絶えず更新される機能のおかげでスマホは彼らにとって必需品となり、日常生活の重要な一部分となった。
また、この世代が最も好むのは「可愛らしさ」だ。米広告会社オグルヴィ・アンド・メイザーの調査によると、2000年代生まれの若者が絵文字を使う回数は90年代生まれより55%も多く、80年代生まれに比べると3倍にもなるという。
しかしその中でもずっと変わらないものが存在する。
人間は本質的に孤独である。群れたり、同じ趣味を持つ人を探したり、寄り添ってくれたり認めてくれる人を求める気持ちは不変のものだ。ソーシャルメディアに新旧交代がみられても、若者の「個性をアピールする」というニーズがなくなったことはない。
ここで注意すべきなのは、2000年代生まれの若者がソーシャルメディアに充てる時間は少数の大手SNSアプリに独占されているが、各種のニッチで優れたアプリを求めるニーズもあるということだ。
ニッチということはターゲットが絞られていることを意味し、若者が「同じ趣味を持つ」人を探すニーズにより適している。ニッチだが、人に勧める価値があるとこの世代が考える良質なアプリの中で、上位15位のうち半分が「趣味グループ」の属性を持つ。例えばQ&Aサイト「知乎(Zhihu)」、お笑い系コミュニティアプリ「最右(ZUIYOU)」、ソーシャルEC「小紅書(RED)」、前述のSoul、スポーツファッションの売買プラットフォーム「毒」などが挙げられる。
(翻訳・山口幸子)
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