中国ゲーミングスマホ「Black Shark」、退職金すら払えない凋落ぶり ピーク時はシェア7割

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ編集部お勧め記事注目記事

中国ゲーミングスマホ「Black Shark」、退職金すら払えない凋落ぶり ピーク時はシェア7割

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国のゲーミングスマートフォンメーカー「Black Shark(黒鯊)」が、元従業員に約束通りの退職金を支払っていないことが発覚した。Black Sharkおよび同社の羅語周・最高経営責任者(CEO)が中国のSNS「微博(Weibo)」に開設している公式アカウントには、退職金を支払うよう求める元従業員の声が大量に寄せられている。

Black Sharkは2022年9月にリストラに着手し、最終的に従業員の8割以上を解雇。退職金は、直近12カ月の平均給与×勤続年数を「N」とし、これに平均給与1カ月分を加える「N+1」方式で支給することとした。ベテラン従業員ならば、退職金は数万〜十数万元(100万円弱〜300万円程度)になる。

同社は退職金を6カ月に分けて支払うと約束していたが、元従業員の多くは1月10日時点で1回目の支払いしか受けていない。しかも、その額はわずか2000元(約4万円)だった。会社からは1月10日ごろ、「深刻な経営難に陥っている」「約束していた金額を全額支払うことができない」とのメッセージが送られてきたという。

経営陣と連絡が取れないため、多くの元従業員は同社に対する訴訟を準備しているという。もぬけの殻になった上海オフィスの入り口には、支払いを求める横断幕が張り出されている。

もぬけの殻になった上海オフィス

Black Sharkは2017年に設立され、中国のゲーミングスマホを代表するブランドとして一世を風靡した。初代機種の販売台数は数十万台に上り、最盛期には中国のゲーミングスマホ市場で7割を超えるシェアを占めた。しかし、ゲーミングスマホ市場の冷え込みとともに、同社の業績も下降線をたどっていった。調査会社「鯨参謀」によると、22年のゲーミングスマホ市場は大幅に縮小し、1〜9月の販売台数は前年比で4割近く減少して約320万台となった。

Black Sharkはゲーミングスマホから路線を切り替え、VR(仮想現実)製品を打ち出す準備を進めていた。2022年1月には、テンセント(騰訊)が同社を買収し、VR市場参入の足がかりとする計画だと報じられた。同社もVR分野に軸足を移すため、事業再編を実施した。

ところが同年10月には、テンセントがすでにBlack Sharkの買収を断念したと報じられた。買収計画の終了とともに、同社の大規模リストラは始まっていたという。

テンセント、ゲーミングスマホ「Black Shark」の買収を断念 XR事業への注力は継続

*2023年1月18日のレート(1元=約19円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録