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【新華社サンフランシスコ1月30日】米電気自動車(EV)大手テスラがこのほど発表した2022年第4四半期(10~12月)決算は、売上高が前年同期比37%増の243億ドル(1ドル=約130円)、純利益が59%増の37億ドルで、いずれも過去最高を記録したが、粗利益率は低下した。通期の売上高は前年比51%増の815億ドル、純利益は2倍以上の126億ドルだった。納車台数は第4四半期が40万5千台、通期が131万台で、いずれも過去最高となったが、市場の予測値とテスラの設けた目標値を下回った。
中国上海市のギガファクトリーは年間生産能力が75万台を超えた。テスラは上海工場について、最も主要な輸出センターであり、北米以外の世界中の市場を支えているとした。
テスラは同時に、上海蔚来汽車(NIO)や小鵬汽車、理想汽車などの中国EVメーカーの大攻勢も受けている。中でも最大のライバルと目されているのが比亜迪(BYD)だ。
中国汽車流通協会(CADA)自動車市場研究分会のデータでは、22年の中国新エネルギーセダン小売台数ランキングでテスラ「モデル3」はBYDなどの車種に及ばず5位となった。スポーツタイプ多目的車(SUV)小売台数ランキングでは「モデルY」が2位で、やはりBYDに及ばなかった。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は決算に関する電話会議で、EVの競争構図に言及し、中国の自動車メーカーは世界でも極めて競争力が高く、テスラは非常に尊重していると発言した。
マクロ経済の圧力の高まりや同業他社との競争の激化を受け、テスラは世界的に値下げを行い、購買需要を一定程度刺激する効果を上げた。マスクCEOは、テスラは1月からかつてないほど旺盛な注文を受け、受注台数は同期の生産台数の2倍近くに上っているとした。
一方、値下げなどの影響で、第4四半期の粗利益率は25.9%と前年同期比5ポイント近く低下し、5四半期ぶりの最低水準に沈んだ。大幅値下げの実施に伴い、業界では粗利益率が23年も低下の一途をたどるとの観測が高まっている。
テスラが販売台数と引き換えに粗利益率を犠牲にするのはやむを得ないとの指摘もある。テスラは、同社の車の平均販売価格は長年にわたり低下していると説明、年間数百万台の自動車を販売する会社に成長するには「アフォーダビリティ」が必要だとした。今後については、マクロ経済環境の不確実性などのマイナス要因がある中、コストダウンや生産性向上、生産拡張に取り組み、コストベネフィットに配慮し、機能と信頼性の向上をはかると表明した。
テスラは23年に180万台の納車を目指している。決算では、独ベルリンと米テキサス州オースティンの工場の生産増強で、四半期当たりの総生産能力は45万台を超えたとした。
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