スニーカー売買サイト「nice」数十億円調達、ソフトバンクも出資

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スニーカー取引プラットフォーム「nice」がシリーズDで数千万ドル(数十億円)の調達に成功したと発表した。ソフトバンクとTPGキャピタルが共同で設立したベンチャーキャピタルなどが出資を主導したほか、「経緯中国(MatrixPartners China)」と「凡創資本(Fanchuang Capital)」も参加。本シリーズでは「凡卓資本(Fanzhuo Capital)」が単独で財務顧問を務めた。

niceは2013年に画像投稿SNSとしてスタート、2014年には年間で総額6000万ドル(約64億6600万円)超を調達した。2018年にモデルチェンジを行い、SNSと売買プラットフォームを組み合わせた新たなサービスを同年7月にリリースした。

そのモデルチェンジの際に着目したのが、急成長市場でありながら見過ごされていたスニーカーのリセールだ。

niceでは「何を買うか」と「どのように買うか」という二種類の需要に着目した。前者への対処はSNSなどを通じて商品の周知を促すことであり、後者への対処は取引手段において、SNSと取引を連動させることでで、コンテンツからコミュニティー、そして取引に至るまでの一連のニーズを満たすことだ。

創業者の周首氏は、niceは基本的にトレンドに敏感な人々のためのSNSという位置付けであり、売買はその延長線上にあるものだと語る。良質なコンテンツによってユーザーを取り込み、コミュニティによってその定着を促し、最終的にはユーザー間の取引へつなぐのが狙いだ。

つまり、取引の段階ではC2Cプラットフォームとして機能する。また、スニーカーにはリセールの需要があることから、「セカンダリーマーケット」の概念が存在し、海外ではすでに「StockX」などのスーパープラットフォームが誕生している。

通常のECプラットフォームとは異なり、消費者間で取引を行うC2Cプラットフォームでは、同一ユーザーが売り手側にも買い手側にもなり得るため、独自の設計や運営方法が求められる。周氏は「売り手と買い手、双方のニーズを最大限に満たすことが、ユーザーの定着につながる」と語る。

さらに、商品鑑定サービスを行ったり、カラ出品の防止や納期確約などを徹底し、、公平な取引規則を定めたりするなど、安心して利用できるサービスの標準化を進めている。

同プラットフォームでは、現物取引やタイムセール、中古品取引など複数の取引形態を展開しているが、いずれもベースは個人間売買プラットフォームで、主な収入源は取引手数料だ。

今後はスニーカー以外にも商品カテゴリを拡大する必要があるとはいえ、やみくもに取扱品目を増やすのではなく、SNSで話題の商品を見極めたうえで、新カテゴリの導入を試みている。

その一例が、今年初めに即日完売となったスターバックスの限定商品「猫の手タンブラー」だ。発売開始から、niceのコミュニティーでも大きな注目を集めたため、プラットフォーム上で同商品の取り扱いを開始。48時間で3000個近くが売買された。今年6月にリリースされたユニクロとカウズのコラボ商品も、48時間で3万件以上の売買が行われた。

今後は、技術部門やサービス部門の拡充、ユーザー拡大のために資金を投入していくという。(翻訳・畠中裕子)

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