経済的かつ高耐久性のモビリティサービス企業向け業務車両 「Open Motors」がモジュール型EVを開発

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オンライン配車やライドシェアが日常的な移動手段として市民権を得てきている。しかし、同業界でトップに君臨するUberやLyft、滴滴出行(Didi Chuxing)でさえ、長期にわたる赤字経営に苦しんでいる。その原因は総保有コスト(TCO)が高すぎることにある。

香港のスタートアップ「Open Motors」が複数のオンライン配車サービス企業や物流企業を取材し、データを収集したところ、これらのサービスを担うカーオーナーには三つの悩みがあることがわかった。

一つ目は、彼らの多くが自家用車を転用して営業していることだ。営業用車両ではないため高負荷となり、TCOが跳ね上がっている。二つ目は、EVを使用している場合、通常はフル充電に6時間ほどかかるが、これを短縮するために急速充電を使うと、約1時間でフル充電できる代わりに、バッテリーの寿命が大幅に縮むことだ。三つ目は、従来型の車両に搭載されているハードウェアはアップデートに対応していないため、新しいシステムソフトウェアと互換性がなかったり、多様な運営シーンに応用できなかったりすることだ。

こうした問題点について、Open Motorsはモビリティサービス企業向けに、モジュール性の高いオープン設計車「EDIT」と、充電回数を削減するための簡便なバッテリー交換技術を開発した。これらにより、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)を大規模化し、かつ収益化することを目指している。

純電気自動車(BEV)のEDITは、5シートのミニバンだ。総重量1280キロ(バッテリーを含む)、最高時速130キロで、時速100キロまでの加速時間は8秒以下、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)による航続距離は約250キロだ。EDITは個人所有向けではなく、ライドヘイリング(配車)サービスなど業務用途を想定しているため、高い使用頻度に耐える耐久性を重視している。例えば、ドアは一般的な乗用車より2000回以上も多く開閉に耐えられる。

Open Motorsの共同創業者でCEOの廖天行(ティン・ハン・リウ)氏によると、EDITは100キロ走行時の電費が11キロワット時で、一般的なBEVの17キロワット時を上回っている。滴滴出行によれば、同社のサービスを担った全車両の累計走行距離は2015年末時点で128億キロだという。ここにEDITを投入すれば大幅な電気代の支出削減が可能だ。

EDITは定価1万5000ドル(約160万円)から(EV購入補助金適用前、バッテリー料金は別途)。また、モビリティサービス企業は週100ドル(約1万1000円)で使用権が貸与される。走行距離は無制限だ。

また、EDITは新開発の電池交換技術「Swapping Battery Economic System」を搭載している。わずか3分以内にバッテリー交換ができるので、1本のバッテリーを繰り返し急速充電して使うよりも、バッテリー寿命を2~3倍長くできるという。

一般のバッテリー交換ステーション13カ所を設置する費用で、Open Motorsの交換所は100カ所設置できる(画像提供:Open Motors)
Open Motorsのバッテリー交換技術イメージ図(画像提供:Open Motors)

EDITは自動運転機能レベル0~5のいずれにも対応する。また各配車プラットフォームが採用するAI、ソフトウェア、ハードウェア、システムとも互換性を持つ。さらに、設計をモジュール化しているため、センサーやモーター、バッテリー、コンピューテーションモジュールなどのパーツごとにメンテナンスができる。

Open Motors製車両と一般他社製車両の性能比較(图源:Open Motors)

廖CEOによると、EDIT初のプロトタイプ製造は数カ月後を予定している。投入予算は数百万ドル(約数億円)に達するという。

Open Motorsは、米シードアクセラレーター「Yコンビネータ」の2016年のプロジェクトで誕生した。今年初め、同社は中国のシリコンバレーと呼ばれる中関村が、海外の優良プロジェクトを支援するアクセラレーションプログラム(Land-In-China Acceleration Program)に入選し、中国国内で会社登記を行った。新エネルギー車メーカーの北汽新能源電動汽車(BAIC BJEV)、滴滴出行、バイドゥ(百度)の自動運転開発プロジェクト、独ダイムラーなどからすでに提携の引き合いが来ているという。
(翻訳・愛玉)

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