原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
「到着しました。これが2020年に私が購入した島です」。これは山東省青島市の34歳の女性、張さんが自撮りしたショート動画中のコメントだ。自分が購入したという島の動画を張さんが公開すると、たちまち動画アプリ内で大きな話題となった。
この動画はすぐさまメディア各社の注目を集め、引用するかたちで報道された。張さんは飲食業を、家族は金融業を営んでいるという。
公開されている情報によると、購入されたのは沖縄の無人島・屋那覇島で、20年12月24日に契約が交わされ、21年2月2日に島の土地約720筆の所有権移転登記が完了した。張さんは、全部で約0.7平方キロメートルの土地を購入したとしている。
別の資料では、島の917筆の土地所有権のうち、張さんの会社が全体の78%近くに当たる720筆を購入したとされている。
実のところ、新型コロナウイルス感染症が蔓延する前、日本各地の観光名所、特にスキー場の近くで中国資本による土地購入が始まっていた。北海道のニセコ町や倶知安町などでは、中国の企業が土地を購入して別荘地にするケースも少なくなかった。
特に15年ごろ、日本を訪れる中国人観光客が大幅に増加し、日本のホテルへの投資熱が高まった。
昨年12月19日、中国民営コングロマリット「復星集団(フォースン・グループ)」系列の仏リゾート大手「Club Med(クラブメッド)」が北海道で「クラブメッド・キロロ ピーク」を開業した。これはクラブメッドが昨年開業した5つめのリゾート施設だ。
復星集団は15年末、別の系列企業を通じて約184億円で北海道の「星野リゾート トマム」も買収している。これは同年10~12月の日本の不動産市場における取り引きの最高額だった。
中国の格安航空会社(LCC)最大手の春秋航空グループも15年から日本で観光分野の不動産業に力を入れ始めた。日本のサンフロンティア不動産と提携し、名古屋で「スプリングサニーホテル名古屋常滑」を運営している。
また、訪日旅行客の増加により日本ではホテルが供給不足となった。この不足分を補うだけでなく、宿泊先の選択肢を増やすとして民泊事業が爆発的に拡大した。コロナ禍前の京都や大阪における民泊のROI(投資回収率)は平均8~10%で、これも多くの中国の投資家をひきつけた。
西日本新聞の報道によると、外国資本が日本国内で買収した森林の面積は、林野庁が調査、公表に乗り出した10年から増え続け、20年末までの累計が調査開始時点の4.2倍に達した。また購入者の国・地域は多岐にわたり、中国(香港を含む)の969ヘクタールが全体の4割でトップだという。
日本政府のマイナス金利政策や不動産市場への投資気運の盛り上がりを背景に、中国人は日本の観光地で不動産購入に熱を入れている。
コロナ禍が落ち着きを見せ始めた今、中国の旅行客は続々と海外に出かけている。日本での不動産購入熱が続くことは間違いないだろう。
原文:WeChat公式アカウント「旅界(ID:tourismzonenews)」、作者:Simon skysong
(翻訳・36Kr Japan編集部)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録