英国系高級デパートが取り扱う唯一のアジアスポーツブランド「粒子狂熱」、シリーズBで約16億円調達

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英国系高級デパートが取り扱う唯一のアジアスポーツブランド「粒子狂熱」、シリーズBで約16億円調達

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スポーツブランドの「Particle Fever(粒子狂熱)」(以下、PF)はこのほど、シリーズBで1億元(約15億6000万円)近くの資金を調達したことを明らかにした。リードインベスターはベンチャーキャピタルの「創世夥伴(CCV)」、コ・インベスターは「清流資本(Crystal Stream Capital)」と「盛万文化(Sova Entertainment Culture)」、アドバイザーは「青桐資本(Phoenix Tree Capital)」が単独で務めた。調達した資金は事業開拓、チームビルディング、製品の開発・デザインなどに充てる。

PFは2015年10月設立。フィットネスと芸術を愛する米ハーバード大卒の人九斤氏がファッション・アート専門のパーソンズ美術大学卒の林海氏、スポーツ好きでスキーとサイクリングが得意なRenata氏とともに立ち上げた。

人氏によると、PFのビジネスモデルは特に複雑なものではなく、「内功の修練」に重点を置いているという。ここで言う「内功」とは、(1)現金預金回転率の高さ。小売事業の経営効率とサプライチェーンの能力を指す。(2)ブランド独自のトーン。ブランドに対する消費者の感じ方、商業施設運営者のブランドに対する認知度を指す――という2点で説明できる。

アパレルビジネスではサプライチェーンの効率性が極めて重要であり、PFのサプライチェーンは系統立った整理・統合が行われている。同社によると、スポーツウェアの強みは季節や流行の影響が小さく、1年を通して販売でき、在庫調整のプレッシャーも比較的小さいところにある。一方、同社はパイオニアとして常に新しい素材や技術を取り入れており、サプライチェーンに対してはより高い技能と品質を要求しているという。

Particle Fever(粒子狂熱)の店内

PFは現在、北京市と上海市に3店舗を構えており、いずれも都心部の人気の高い商業施設内に出店している。創業者の人氏によると、オンライン店舗である程度の実績を積んでから実店舗を展開するのではなく、オンラインとオフラインにおける店舗展開を同時進行する方針だ。なお、同社のオンライン店舗での客単価は900元(約1万4000円)前後と他のスポーツブランドを大きく引き離しており、実店舗の客単価は2000~3000元(約3万1000~4万7000円)にのぼるとみられる。

同社のブランドが持つ独自性は実店舗を展開する上での大きな強みだ。同社の商品の多くが前衛的な素材を使っており、その質感やシルエットの魅力はインターネット上の画像では充分に伝えられない。実店舗では試着後の購入率が非常に高く、超一流クラスの商業施設に出店していても、6カ月でコストを回収できるという。人氏はさらに、店舗の独特の雰囲気に加え、イベントを重視していることから商業施設内での受容性が高く、テナント契約において非常に優遇されていることも明らかにした。

人氏は、PFが独自のスポーツブランドであることを常に強調している。その独自性は外観の美しさだけでなく、「テクニカル・ファッション」として、デザインに込められた機能性にも表れており、両者のどちらかをより重視しているということはない。例えば、見た目の点ではPFの服を着てカフェに行くこともできるし、素材の面では表面に撥水加工が施されており、水分を弾くことができる。

2018年の米ニューヨーク・ファッションウィークに合わせて開催された「天猫(Tmall)チャイナデー」に、PFは「江南布衣(JNBY)」と共に中国のスポーツブランド代表として登場した。また、英国系高級デパートのレーンクロフォードが取り扱う唯一のアジア系スポーツブランドとして、世界中のバイヤーやセレクトショップの注目を集めている。同社は今年も引き続き旗艦店出店を進め、来年には海外での出店も計画しているという。

本ラウンドの出資者である創世夥伴(CCV)は、オンライン消費と新興ブランド消費において、1990年以降生まれと1995年以降生まれに代表される「Z世代」が中心となっていると指摘。消費習慣に質的な変化が起こったことで、起業のチャンスが無数に生み出され、新興ブランドに大きなチャンスがもたらされるとした。PFにはこのチャンスを逃さず、新たなトレンドとスポーツウェアの新ブランドを確立してもらいたいとの考えを示している。
(翻訳・池田晃子)

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