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中国大手スマホメーカーの小米科技(シャオミ)がこのほど、10~20代の女性向けをうたう新スマホブランド「CC」を発表した。発売にあたり、同社の「宣伝委員」である創業者の雷軍氏がソーシャルEC「小紅書(RED)」に登場した。雷氏は企業経営者としては、初の小紅書の公式インフルエンサーであり、登場から1週間足らずで20ものノート(コンテンツ)を投稿している。
雷氏のノートは写真、ショート動画、vlog(動画ブログ)など様々な形式で作成されており、内容は発表したばかりのスマホブランド、CCに関するものが中心だ。すでに1万以上のフォロワーがおり、1万近くの「いいね」と「お気に入りに追加」がついているが、雷氏にとっては不本意な数字のようだ。先日行われたシャオミ新スマホの発表会では、雷氏が自身の小紅書フォロワー数を「全く売れていない芸能人並みだ」と自虐的に表現し、その場でフォローを呼びかける一幕があった。
小紅書で「小米(シャオミ)」を検索すると、14万以上のノートが見つかる。また直近30日間では、小紅書におけるシャオミに関するユーザーのインタラクション数は1000万を超える。まさに雷氏が微博(ウェイボー)で「小紅書をやらないと、うまくいくはずがない」とつぶやいた通りだ。
小紅書ではテクノロジー関連のコンテンツが急速に増えている。華為技術(ファーウェイ)、モバイル周辺機器の「MOMAX(摩米士)」などが次々にアカウントを開設し、動画や写真を使って製品の性能を紹介している。だが、大手メーカーの創業者が自ら投稿者となる例はこれまでに無かった。
殻を破りたい小紅書
小紅書では今、テクノロジーの旋風が巻き起こっている。デジタル製品はコンテンツの数が最も急速に伸びているカテゴリーのひとつだ。2019年上半期、小紅書ではデジタル製品のコンテンツが12.4倍に増えた。スマホに関連した投稿に限っても、ノートの閲覧回数は月間延べ40億回にのぼり、各ユーザーが毎月1.6回以上閲覧するという計算になる。
小紅書の担当者によると、一部の男性ユーザーにとっては、スマホを買う前に小紅書で下調べし、レビューを確認することが当たり前になりつつあるという。こうした「テックオタク」が一定の時間を経て、徐々に特定の趣味グループを形成するようになり、デジタル製品を紹介する「テックブロガー」も生み出した。
デジタル製品だけではない。2018年はウェディング、インテリア、ペット、音楽、ベビー&マタニティなどのコンテンツが11倍以上に増えた。小紅書は今、コスメが中心という固定化された印象から抜け出し、コンテンツの範囲をさまざまな分野に広げつつある。
ソーシャルアプリ運営各社はいずれも、自社のプラットフォームがブランドマーケティングの新たな場となることを願っている。多くのブランドが注目するのは若年層のユーザーであるため、各社にとっては若年層ユーザーを増やすことが最も重要だ。動画共有アプリの「快手(Kwai)」や「TikTok(抖音)」も芸能人を登用することで、ユーザーを増やし、ブランドからの注目を集めている。
芸能人や企業経営者は確かに新たな集客につながるだろう。ただし効果は限定的だ。芸能人や企業経営者という肩書きは一時的には話題となるものの、その注目も長くは続かない。
雷氏は企業経営者の中では絶対的なインフルエンサーだ。だが、かつて彼の英語スピーチに着想した楽曲が動画共有サイトの「ビリビリ動画(Bilibili)」で公開され、大流行したのは偶然の産物であり、この成功体験を再現するのは難しいだろう。
(翻訳・池田晃子)
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