TikTok等動画サイト各社が注力、Vlogger育成の最新動向

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TikTok(ティックトック)を運営する「バイトダンス(字節跳動)」傘下の動画配信プラットフォーム「西瓜視頻(Xigua Video)」がこのほど、「Vlog」(ブイログ、動画ブログ)コンテンツを対象とする「月収1万元(約16万円)計画」を発表した。創作活動を支援する100万元(約1600万円)の基金を設立し、現金1億元(約16億円)の原資を確保して、Vlogger(ブイロガー)と呼ばれる動画ブログ制作者が月収1万元(約16万円)を実現し、優れたコンテンツを長期にわたって生み出すことを後押しする。

さらに、ブイロガーへのインセンティブとして、電子商取引(EC)や広告などの手段でも収益化を手助けする考えを明らかにした。今回の発表に先立ち、西瓜視頻はさまざまな段階の制作者にネタ選び、撮影、運営を教える「Vlog学院」も立ち上げている。

Vlogは昨年末、台湾のチェロ奏者でタレントのNana(欧陽娜娜)によって人気に火がついた。今では大手動画配信サイトやSNSが競争を繰り広げる新たな市場となっている。

この新たな動きに、ティックトックや「快手(Kuaishou)」は動画の時間制限を延長することで対応している。短すぎるコンテンツはクリエイターの認知度を高めるには不向きだが、Vlogはその状況をある程度変えられるとみているのだ。アクセス数の副次的効果がほぼ消失した中、動画の新たな形態として、コンテンツを豊富にし、ユーザーの定着率向上に役立つとして、日記形式で生活を記録することに重点を置くVlogが各プラットフォームに新たな希望をもたらしたことは疑いようがない。

ただし、今のところ、各プラットフォームはVlogの効果を思うように出せていない。ビッグデータ分析などを手がける「蟻坊軟件(eefung)」のデータによると、SNSの微博(ウェイボー)では、Vlogに対する「熱度」(人気度)が今年1月初めに4万以上に達した後、5000程度にまで急速に低下している。Vlogは一時的なブームか、それとも長期的なトレンドか。見極めるにはまだ時間が必要だ。

Vlogをめぐる他社の動き

ウェイボー
2018年9月、30日以内に4本以上のVlogを配信すれば、「微博Vlogブロガー」認定への申請資格を得られ、アクセス数に関するサポートなどを受けられると発表した。

ティックトック
2019年4月25日、30秒を超えるオリジナルのVlogを撮影またはアップロードし、イベントページの「ハッシュタグチャレンジ」に参加するだけで、「Vlog10億集客サポート計画」に参加できると発表。参加者の中から優れたクリエイターを選抜し、アクセス数に関するサポート、ティックトックブイロガー認定などを行うとした。

百度(バイドゥ)が手がける動画配信プラットフォーム「好看視頻(haokan.baidu)」
2019年5月10日、「Vlogタンポポ計画」を発表。5億元(約80億円)を投じ、MCN(マルチチャンネルネットワーク)に補助金を支給してサポートする方針を示した。クリエイターに対しては、▽認定されたVlog制作者への支給額を2倍にする▽作品を最初に発表するという契約を結んだクリエイターへの支給額を3倍にする▽プラットフォーム内のフォロワー数が5万以上で、同社と独占契約を結んだクリエイターへの支給額を4倍にする――との収入倍増計画を立ち上げた。

動画配信サイト「ビリビリ動画(bilibili)」
2019年5月31日、「Vlogスター計画」を発表。アクセス数に関するサポート、奨励金の支給、アカウントの認定、活動への支援、緊密な協力、プラットフォームの事業開発など6つの面からVlogコンテンツをサポートする。計画には、Vlog特別報奨金を毎月100万元(約1600万円)支給する、特別イベントのインプレッション数(表示回数)を毎月1億回サポートするなどが盛り込まれている。
(翻訳・池田晃子)

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