「北汽福田」が新エネ車戦略、目標はEV商用車のトップ エコシステム構築も

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世界では近年、急速にエネルギー革命が進んでいる。自動車業界では電動化に重点がおかれ、商用車も例外ではない。

中国では2022年、経済成長の鈍化やコロナ禍など複数の要因により商用車の需要が低迷、販売台数は直近14年間で最低となった。一方で新エネルギー商用車は18万6000台以上を売り上げ、前年比54%増という大幅な伸びで注目を集めた。

4月13日、中国自動車大手の北京汽車集団(北汽集団)傘下で商用車を手掛ける北汽福田汽車(Foton Motor)は新エネルギー大会を開催し、新たな新エネルギー戦略を公表した。新エネ車への取り組みを強化するという重要なメッセージだ。さらに2030年までにEV商用車分野で最大のメーカーになるとの目標を打ち出した。

北汽福田は中国でも早い時期に新エネ車に参入したメーカーであり、この数年は新エネ商用車事業に力を入れている。昨年には新エネルギー戦略を発展戦略の筆頭に掲げた。

同社は全車種で新エネルギー化を実現しており、業績のけん引役のひとつになっている。22年に商用車を46万台販売し、中国国内市場の14%を占めシェアトップとなったが、そのうち新エネ車の販売が2万2000台にのぼり、前年同期比で155%増加した。

2022年商用車販売額市場シェア上位10社

新エネ車の販売に関してはすでに高い目標を掲げており、2025年の販売台数を22年の7倍を超える15万台にするとしている。

北汽福田の新エネ車技術は電気自動車に限ったものではなく、ピュアEV(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)という3 種類の新エネ車全てが対象だ。新エネルギー大会では同社の大型トラックや小型トラック、ピックアップトラック、バンなどの新エネ車に利用されている同社の技術「智藍(iBLUE)」についても紹介された。

このほか、商用車をめぐるエコシステム構築についても目標を示した。2025年には車、充電設備、太陽光発電、蓄電など新エネルギー産業とビジネスエコシステムの基礎を完成させること、30年までにエコシステムのパートナーと協力して最大規模のEV商用車メーカーとなり、同時に新エネ商用車分野で最大のクリーンエネルギーのサプライヤーになることを目指す。

現在、中国の商用車メーカー上位数社のシェアにそれほど大きな差はなく、依然として激しいシェア争奪戦が繰り広げられている。新エネ商用車の市場はまだ形成されたばかりで、2022年時点の普及率は10.2%に過ぎない。ガソリン車から新エネルギー車へのシフトは、遅れて商用車市場へ参入したメーカーにとってもチャンスとなる。

北汽福田が2030年にEV商用車のトップメーカーになるという目標を実現するには、厳しい競争をくぐり抜ける必要がある。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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