勃興する中国の蓄電システム、投資家が熱目線。22年の資金調達額1兆円超え

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ここ数年、投資マインドの冷え込みで全体的に資金調達が縮小するなか、蓄電システムは一貫して投資家の高い関心を集めてきた。特に2022年は蓄電システム産業が大きく成長した。技術の向上や政策の改善に加え、市場の需要が増えたことで、同産業はかつてないほど注目されるようになった。

中国では2022年だけで3万8000社の蓄電システム関連企業が設立された。この数字は21年の5倍を超える。大まかな統計によると、蓄電システムに関連した22年の資金調達は249件、金額にして494億元(約1兆円)で、21年の2倍以上、19年の16倍となった。今年4月末時点で26社の蓄電システム関連企業が新たな資金調達を終えたと発表。調達額は数千万~数十億元(数億~千数百億円)とさまざまだった。

例えば、蓄電システムを開発する「奇点能源(JD Energy)」は5月、シリーズBで7億元(約140億円)を調達した。出資は金石投資(Goldstone)が主導し、他に10社以上の中国投資機関が参加。また、「融科儲能(Rongke Power)」も4月中旬にシリーズBで10億元(約200億円)を調達したと発表している。

蓄電システムが注目されている背景には、ポータブル電源ブランドを展開する「華宝新能(Hello Tech Energy)」の株式公開(IPO)という画期的な出来事があった。2022年9月に深圳証券取引所創業板(ChiNext)に上場し、上場後の時価総額は最高で220億元(約4400億円)を超えた。

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華宝新能のIPOと同時期に、広東省深圳市で蓄電システム関連のユニコーン企業がもう1社生まれた。蓄電装置を開発する「徳蘭明海科技(Poweroak Technology)」は2022年9月にシリーズB+の資金調達を終え、企業評価額が10億ドル(約1400億円)に達したと発表した。

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電気自動車(EV)大手のテスラも今年4月、上海市に大型蓄電システム「メガパック(Megapack)」を生産する工場を建設すると発表した。初期計画によると、年間1万台の生産を目指す。このニュースも市場を賑わせた。

投資家の見方によると、蓄電システム関連企業はまだ成熟期を迎えていないが、国の政策による積極的な支援や継続的な需要増大によって急成長期にあるため、将来的に売上高100億元(約2000億円)ないしは1000億元(約2兆円)規模の企業が生まれる可能性もある。

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しかし、チャンスの裏にはリスクもある。蓄電システムの収益性は現時点で明確になっていない。電池メーカーもシステム・インテグレーターも高止まりという共通の問題に直面しており、生産・運営・電力使用に伴うコストの効果的な解決方法を見つけられないでいる。

また、新規参入者の増加は蓄電システム市場に激しい競争をもたらすことになり、価格競争になれば、ただでさえわずかな利益はさらに少なくなるだろう。

投資とリスクは背中合わせで、ある産業が過度に盛り上がれば業界の壮絶さもいっそう増す。遠景能源(Envision Energy)の蓄電部門代表者は5月に開催された中国(山東)蓄電フォーラムで、多くの蓄電システム・インテグレーターが存続問題に取り組んでいると指摘。「今年はこうした企業にとって非常に困難な年となり、来年までに8割の蓄電システム・インテグレーターが倒産する」との見方を示した。

作者:VCPE参考(WeChat公式ID:vcpecankao)

(翻訳・大谷晶洋)

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