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中国向けの越境ECビジネスを支援する「抖音電商全球購(Douyin EC Global)」が6月初め、事業パートナーである電通グループと共同で、中国でのビジネス拡大を目指す日本ブランドと、中国市場に影響力を持つ在日インフルエンサーとの交流イベントを東京都内で開催した。
中国ビジネスには抖音が外せない?
抖音電商(Douyin EC)は、中国でDAU6億人という膨大なユーザーを抱えるショート動画プラットフォーム・抖音が2020年に立ち上げたEコマース事業で、業界内で大きな注目を集める新勢力だ。動画配信によるEコマース(ライブコマース)が最大の特徴で、従来型ECの文字や写真による展示方式より、短時間で多くの情報を発信でき、消費者の購買意欲を掻き立てる強みがあることから、ここ数年驚くべき成長を遂げている。
数字で見ると、2022年12月時点で、抖音ユーザー1人当たりの平均使用時間は1日140分で、ライブ配信の視聴回数は1日平均32億回を超えている。「いま中国でビジネスするなら、抖音は絶対に外せないプラットフォーム」というのが中国を理解している人の共通認識で、電通の日中ビジネス支援組織「Dentsu CXC」でも、日本企業が抖音電商を効率よく活用できるように、積極的に新たな施策を打ち出している。
ライブコマースの鍵を握るインフルエンサー
ショート動画を軸に展開する新形式のECプラットフォームなので、魅力的なコンテンツを発信し、より多くのユーザーにリーチすることが、ブランド側にとって売上を左右する重要な要素の一つだ。中でも、ライブ配信でモノを売ることが得意なインフルエンサーを起用できるかどうかが、成功に繋がる最も重要なカギとなる。
一方で、人気インフルエンサーとの繋がりを作ったり、自社商品の良さを彼らにアピールしたりする機会がない、というリアルな課題を抱える日本企業も少なくない。今回のイベントでは、貴重な在日インフルエンサーとのコミュニケーションや提携が進み、今後の企画や販売促進に繋がる良い交流の場になったようだ。
イベントには、サントリー、カネボウ、再春館製薬、龍角散、アクシージア、近鉄百貨店、ハーブ健康本舗のほか、人気タレントの小嶋陽菜がプロデュースするライフスタイルブランド「Her lip to」、「河北メイク」で有名なヘアメイクアーティストの河北裕介氏が手掛けるコスメブランド「&be」、日本能率協会傘下の手帳ブランド「NOLTY」など数十社の日本企業が参加した。抖音電商全球購(Douyin EC Global)は日本にも専門チームを置き、これまで以上に日本ブランドの中国ビジネスを支援していくという。
中国インターネット・ネットワーク情報センターの統計によると、2022年6月時点で、中国のライブコマース利用者数は4億6900万人で、ネットユーザー全体の約45%を占めている。また、ライブコマースの市場規模は23年に4.9兆元(約98兆円)を超えるとの予測もある。まさに中国向け販売には、ライブコマースが欠かせない時代になっていると言えるだろう。世界中でコロナ禍が落ち着き、インバウンドや国内消費が回復するなかで、中国の最新トレンドを掴む日本企業にとって大きなチャンスが到来しそうだ。
(36Kr Japan編集部)
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