燃料電池の活用広げる中国ベンチャー、バイク・ポータブル電源・船舶で実用化

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燃料電池の活用広げる中国ベンチャー、バイク・ポータブル電源・船舶で実用化

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燃料電池パワーパックのソリューションを提供する「蘇州溯馭技術(Seeex Tech)」(以下、溯馭技術)が5月末、第1回水素エネルギー体験デーおよび2023夏の新商品発表会を開催した。

会場では車体に青い字で「H2」と書いてある白いバイクが走り、燃料電池のポータブル電源につながった扇風機が4台同時に回っていた。小型配送車は上に品物、下に動力用の水素カートリッジを載せて走っていた。

水素エネルギーで走るバイクを会場で体験(作者撮影)

溯馭技術は2021年に設立され、エネルギー貯蔵・発電、緊急時の電力供給のほか、ゼロカーボンコミュニティー、搬送装置、船舶、飛行体向けに水素・電力統合システムのソリューションを提供する。

水素で走る無人搬送車(AGV)(作者撮影)

イベント当日の目玉は江蘇省の無錫市から蘇州市に運ばれてきた燃料電池の船舶だ。船尾にある白い筐体が燃料電池システムで、この船のコア部品だ。2つのスクリーンが設置され、燃料電池システムの稼働状態をリアルタイムで表示する。設計上は連続8時間の航行が可能で、現在は内陸河川の水上輸送に利用されている。

水素エネルギーの主な利用シーンは輸送や移動手段だ。溯馭技術は中国の船会社と戦略的提携関係を結び、燃料電池船による内陸河川での貨物輸送を広げようとしている。また、水素を動力源とする電動アシスト自転車のシェア事業や宅配などの分野でもモビリティ企業などと提携して市場化や規模拡大を図っている。

燃料電池を搭載した船尾と船舶の中(作者撮影)

昨今のキャンプブームにより、水素エネルギーの利用シーンが多様化し、新たなニーズが生まれている。イベントではアウトドア向けの製品も展示された。

水素エネルギーを使ったポータブル電源は、白い筐体の左上に小さなスクリーンがあり、出力、電圧、電流などをリアルタイムで表示する。定格出力は3kWで、電圧は48V、12V、5Vに対応、オプションで220VのAC出力も可能。コンセントをさすだけで使用でき、WeChatのミニプログラムでモニタリングすることもできる。

水素エネルギーを使用したポータブル電源

ホームキャンプなら、このポータブル電源でホットプレート×1(1500W)+電気ケトル×1(1600W)+電気圧力鍋×1(1000W)+携帯電話×6(30W)を同時に使用できる。屋外作業では、電気ドリル×1(800W)+送風機×2(1000W)+高圧洗浄機×1(300W)+サーチライト×2(300W)を同時に使用できる。

イベントでは、燃料電池を使ったポータブルチャージャーも展示していた。リチウムイオン電池を使用したデバイスの急速充電用に設計されたもので、出力500W、全天候型で安定して使用できる。コストパフォーマンスと携帯性に優れ、同等のパワーを持つソーラーパネルに比べ価格と商品サイズは1/3、重量は1/7になった。

燃料電池を使ったポータブルチャージャー

新商品発表会では、業界初のプログラミング可能な燃料電池の一体型パワーコントローラーと、一体型コントローラーを基に開発した水素燃料システムのソリューションを発表した。董CEOは、現在多くの上場企業と戦略的提携を結び、国内外の有名大学と長期的に提携しており、今後は研究開発への投資を増やしていく考えを明らかにした。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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