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EV(電気自動車)向け充電サービスなどを手がける中国企業「潤誠達科技(Runchengda Electric)」が、シリーズB2 で2億2400万元(約44億円)を調達した。既存株主の洪泰基金(Hongtai Capital)が追加出資したほか、国家科技成果転化引導基金(National Fund for Technology Transfer and Commercialization)のサブファンド、蘇高新創投集団(SND Ventures Group)なども出資に参加した。
潤誠達科技は2010年に設立され、EV(電気自動車)用充電スタンドとエネルギー管理デジタル化のトータルソリューションを手がけている。主に建物、地方行政機関、充電ステーション、自動車メーカー、送電網、一般家庭向けに充電・蓄電装置とエネルギー管理プラットフォームを提供する。
新エネルギー車の販売台数がここ数年で急激に伸び、中国では充電スタンド市場が黄金期に突入した。中国電気自動車充電インフラ推進聯盟(EVCIPA)のデータによると、中国国内の充電スタンド数は2020年の168万台から22年には521万台にまで増え、22年の新設数は前年からほぼ倍増した。
潤誠達科技は充電スタンド市場に生まれたチャンスを逃さず、製品展開や市場拡張、技術面での攻勢など多角的な経営戦略で急成長を遂げた。
創業者の王浩会長によると、同社は充電スタンドのアップグレードとこれに付随するソフトウェアシステム開発の両方で技術的優位性を有し、充電スタンドのコア技術のほか、超急速充電を可能にする液冷式充電スタンドのソリューション、フレキシブルな充電アルゴリズムなどの先進技術を確立した。
定格出力720KWの超急速充電スタンドは、これらの技術を応用した同社の典型的な製品だ。コネクターを指すだけで充電ができる究極の使いやすさをうたい、複数台が同時に充電できるケーブルが12本ついているほか、異なる出力に対応できる柔軟性が進化した。「5分間の充電で最大300キロ走れる」充電体験を実現し、液冷式急速充電のアーキテクチャー、低消費電力、高い安定性、安全かつ高い信頼性によって10年以上の耐用年数を保証している。
市場開拓については、中国全土に20カ所以上の事業所を持ち、向こう5年以内に30以上の省・自治区で100以上の都市を全面カバーする計画だ。海外市場の開拓も急ピッチで進めており、すでに欧州の主要国や北米、豪州、中東に進出している。
王浩会長は過去数年の事業展開は3つの段階を踏んできたと振り返る。
最初は商業用不動産向けに絞って充電スタンドを販売し、同分野のリーディングカンパニーとなった。次に、充電スタンド業界でデジタル化の需要が高まり続けていることを受けて独自のクラウドプラットフォームとエネルギー管理のデジタル化プラットフォームを開発し、充電サービスのデジタル化ネットワークを形成した。最後に海外で爆発的に広がるビジネスチャンスを掴んで家庭用蓄電製品を手がけるようになり、エネルギー管理のデジタル化ソリューションベンダーとしてグローバル企業に成長した。
新エネルギー車の普及率が今後数年は上がり続け、これに伴って充電スタンド業界も再び成長が加速すると見込まれる。
王会長は中国政府がEV用充電スタンドの設置目標と支援政策を打ち出したことで、各地方政府も目標を策定して充電スタンドの建設が加速し、5年後には中国の充電スタンド市場は少なくとも1000億元(約1兆9800億円)規模に成長すると見ている。また、欧米の新エネルギー車市場は明らかにインフラ整備が追いついていないため、今後3年は急速に拡大していくとしている。
(翻訳・山下にか)
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