ファーウェイ 米国の禁輸措置による打撃を半分克服

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ファーウェイ 米国の禁輸措置による打撃を半分克服

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昨年末からさまざまな試練にさらされてきたファーウェイだが、2019年も折り返し地点を過ぎ、最も厳しい局面は乗り越えたといっていい。2019年上半期の売上高は前年同期比23.2%増の4013億元(約5兆9000億円)で、過去2年を上回るペースで業績を伸ばした。純利益も349億元(約5200億円)だった。

従来は中間決算の発表会を行うことはなかったファーウェイだが、今年は米国による禁輸措置などの影響もあってか、実力と自信を表明する場として報告会を行ったようだ。

最悪の局面は克服した

ファーウェイの一連の危機は昨年末に端を発する。米国は安全保障面の不安を理由に、次世代通信規格5Gの対応機器でファーウェイなどの中国企業製品を採用しないよう各国に呼びかけた。続いて任正非CEOの娘で同社のCFOを務める孟晩舟氏がカナダで拘束された。

今年5月には、米商務省がファーウェイをエンティティリスト(制裁対象リスト)に追加。国内企業に対し、ファーウェイに対するソフトウェアおよびハードウェア製品、サービスの提供を禁止した。これにより、ファーウェイの主力事業は甚大な打撃を被った。多くのコア部品を米国のサプライヤーに頼っているからだ。

そこでファーウェイがまず着手したのは、サプライチェーンの問題の解決だ。供給元を広げ、代替部品の確保に動いた。アジア各国や比較的友好的な関係にある欧州の一部の国が米国の穴を埋めている。さらに、SoC「Kirin」など一部のコア部品については自社開発を進め、傘下の半導体メーカー「海思半導体(Hisilicon Technology)」が代替部品を一手に担った。

中国のビジネス誌「財経」によると、ファーウェイは昨年からすでにリスク回避に動いており、多くの部品の備蓄を進めていたという。同社に近い関係者によると、ファーウェイは少なくとも半年分の部品を確保済みだ。

梁華会長によると、同社の通信事業者向けネットワーク事業はすでに復調している。コンシューマー向け端末事業に関しては現在も穴埋めの途中であるという。中でも携帯電話事業の痛手は大きい。米国による実質的禁輸措置からわずか1カ月で海外市場でのシェアを40%も失った。米ブルームバーグの報道によると、同社は今年の海外向け出荷台数が4000万~6000万台減少すると見込んでいる。そのため、イタリアやドイツ、シンガポールなど数カ国を対象にプロモーションを強化し、ユーザーに2年間の無料保証サービスを提供することで低迷からの脱出を図った。海外向け携帯電話事業はすでに禁輸措置発令前の8割ほどまでに回復しているという。

国内市場が切り札に

今年上半期、コンシューマー向け端末事業はファーウェイの総売上高の55%を占めた。禁輸措置の影響を回避するには、まず携帯電話事業を上向かせる方法を見つけなければならない。ファーウェイは中国国内市場を逆転の切り札にした。

海外向け製品には、Googleモバイルサービス(GMS)のライセンスを取得したAndroidをOSとして搭載する以外に選択肢はない。他の部品には代替品があるが、OSについては例外だ。自社で新たなOSを開発する能力が十分にあるにしても、ユーザーにOSの乗り換えをうながすのは現実的にほぼ不可能だ。新しいOSを根付かせるには、メーカー各社、開発者、ユーザーが連動するエコシステムを一から構築しなければならない。これには数年単位の時間を要する。

つまり、ファーウェイの海外市場での復調は米国が左右しているといってもいい。

反対に、この縛りを受けないのが国内市場だ。ファーウェイの携帯電話事業が国内市場を強化した理由はここにある。英市場調査会社カンターの調べでは、ファーウェイは今年第2四半期、国内市場で46.1%のシェアを握った。中国国内ではファーウェイの一強時代が訪れつつある。

「天風国際証券(TF INTERNATIONAL SECURITIES)」のアナリストは、ファーウェイ製携帯電話の今年の出荷台数を2億6000万台と予想しており、仮にGMSライセンスの再取得が不可能でも、前年比10%以上の2億3000台と踏んでいる。また、任CEOの予想では2億7000万台で、これまで2億5000万台としてきた目標値から上方修正した。

米国による禁輸措置がファーウェイにもたらした打撃は大幅に低減できた。問題のすべてが解決したわけではないにしても、致命傷はすでに回避したのだ。反対に、ファーウェイにかけた圧力が一部の米国企業に跳ね返っている。米紙ニューヨーク・タイムズの報道では、米国内の複数のテック企業が「ファーウェイへの禁輸措置によって大きな収益源を失った」として積極的にロビー活動を行っているという。

ファーウェイはすでに一連の試練の半分は乗り越えたといってもいいだろう。しかし、米国のエンティティリストに掲載されたという事実は、今後5年は撤回できない。米国の供給業者からコア部品の調達ができないという状況では、長期的な見通しが立たない。いずれにしても、試練の残り半分に対処する必要がある。
(翻訳・愛玉)

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