激安タピオカドリンク「MIXUE」が日本上陸、在日中国人狙いですでに原宿など3店舗【中華ビジネス戦記】 

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激安タピオカドリンク「MIXUE」が日本上陸、在日中国人狙いですでに原宿など3店舗【中華ビジネス戦記】 

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コロナ禍と共にタピオカドリンクブームが去って数年。生き残ったのはゴンチャ(貢茶)やcoco都可など一部の有名チェーンのみだ。だがコロナ禍が収束し、賑わいの戻った繁華街に再びタピオカドリンク店が復活しつつある。特に中国最大の店舗数を誇るチェーンの蜜雪冰城(MIXUE)の日本進出は、日本在住中国人の間で大きな話題になっている。

中国で2万5000店舗展開、アジア進出も積極的

ファッションと若者の街である東京・原宿にMIXUE開店のお知らせが登場したのは2022年秋。ガチ中華ブームに乗って日本に進出する著名な中華チェーンは少なくないが、日本1号店は中華街化している池袋や高田馬場に出すことがほとんどである中、原宿出店という野心に界隈は大いにざわついた。

MIXUEは1997年に河南省で生まれたドリンクスタンドで、中国では1杯4元(約80円)のレモネードや1つ3元(約60円)のソフトクリーム、1杯6元(約120円)のタピオカミルクティーなど、価格の安さで地方都市を中心に店舗を広げ、約2万5000店舗を展開する。中国の有名チェーン喜茶(HEYTEA)、奈雪的茶(NAIXUE)は安い商品でも1杯20元(約400円)程度で、30元を超えるメニューも多く、MIXUEの価格の安さが際立つ。最近は韓国やベトナム、マレーシアなどにも進出し、その流れに乗って今年日本にもやって来た。

中国全土に2万5000店超を展開している

昨年末に日本進出が明らかになったMIXUEだが、原宿の店舗は外装工事後半年放置され、今年夏に池袋と高田馬場の店舗が相次ぎオープンした。結局、ガチ中華鉄板のエリアだったわけだ。

高田馬場店はソフトクリームの雪王マウンテンソフトが160円、フレッシュレモネードは260円、高山四季香や原葉紅茶は100円。

高田馬場店の価格表。中国の価格よりは高めだが、日本の同業店と比べると安い

店内でアイスクリーム紅茶を購入していた20代の中国人は「中国のMIXUEより高いですが、日本の他のタピオカの店よりは安いのが魅力的だと思います。ソフトクリームもおいしいです」と話した。筆者も高田馬場店でソフトクリームに黒糖タピオカがのった雪王黒糖パールサンデー(330円)を購入した。なかなかのボリュームで味もよく、330円のデザートとしては満足度が高かった。店員によると客は日本人と中国人が半々で、若者が大部分を占める。

黒糖タピオカが乗ったサンデーは330円

MIXUEは昨年、中毒性のあるCM音楽がバズったことで注目度を高めた。中国版TikTok「抖音(Douyin)」では、CMの音楽やキャラクターのダンスを真似したショート動画がたくさんある。日本の店舗でも、店内のモニターでCMが流れていた。雪王黒糖パールサンデーを食べていた中国留学生は「この歌が日本で聞けるなんて思いませんでした。日本に来る前に出身地である江西省で友人とMIXUEに行った時のことを思い出しました」と語った。滋賀在住のこの留学生は、東京旅行に来ており、MIXUEオープンを知ってわざわざ立ち寄ったという。

在日中国人が多いエリアで店舗拡大か

雪だるまのキャラクターで知られる

8月21日にはついに、原宿の店舗もオープンした。直前の告知だったためか、オープン初日の午後に行ったところ訪れる客はまばらで、アイスクリームやチーズティーなど多くの商品が欠品となっていた。原宿という場所柄、外国人の客が目立ち、店員も英語で対応しているのが印象的だった。近隣にはメニュー構成が近い店舗がいくつかあったが、原宿という一等地にあってMIXUEの価格競争力は突出している。今は店舗に入らないとメニューや価格が分からないため、中国人以外にMIXUEの知名度がない中でどう戦うか気になるところだが、お店を知ってもらえさえすればリピーターを獲得できそうだ。

中国版Instagramの「小紅書(Red)」にはMIXUE日本のアカウントも開設されており、今年の7月には新大久保の街中の画像が投稿された。新大久保への出店に向けた匂わせ投稿だとにらんでいる。中国人だけではなく、日本人の学生など若者も多く集まる新大久保では低価格帯のドリンクスタンドとの相性が良さそうで、タピオカ系ドリンクの再興が勢いづくかもしれない。

(作者:阿生、浦上早苗)

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