中国のバッテリー交換サービス、ブロックチェーン技術を活用 追跡可能で電池リサイクルの効率向上へ

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EUの新しい電池規則案『電池および廃電池に関する規則』が8月17日に発効した。 同規則では将来的に欧州経済領域で販売される車載用や産業用の電池について、重要原材料のリサイクル率に関する項目を定めており、リチウムイオン電池のリサイクル産業が再び注目されるようになっている。

中国ではこの2年間に新エネルギー車の普及が進み、リチウムイオン電池のリサイクル市場も急速に拡大した。しかし、電池リサイクル市場は長らく「小規模、分散、混沌」という状況にあり、環境汚染や資源の浪費をもたらしてきた。特に、リサイクルの過程で現在採用されている抜取検査はコストが高い上、効率と正確性に劣るため、廃電池の価値を最大限に発揮させることができない。この後れた方式は速やかに改める必要がある。

こうした中、新しいデジタル技術のブロックチェーンを活用することで、リチウムイオン電池業界のコスト削減と効率向上につながる新しい手法とアイデアが生まれた。

アントグループ(螞蟻集団)傘下のテックブランド「アントチェーン(螞蟻鏈)」は昨年から、電動バイク向けバッテリー交換プラットフォーム「嘟嘟換電(Duduhuandian)」と提携し、嘟嘟換電が運営する4000カ所のバッテリー交換ステーションに置かれる数万個のバッテリーにブロックチェーン技術を導入した。

ブロックチェーンは、追跡可能で改ざんできないデータベースを作成する分散型台帳技術だ。アントチェーンのブロックチェーン通信モジュールをバッテリー管理システム(BMS)に接続すれば、バッテリーセルごとの電力量、充放電回数、健全度などの全データがブロックチェーンに記録される。

現在の電池リサイクルでは一般的に、リサイクル企業が電池パックを分解して各電池セルの健全度を検査した上で、適切なものを選んで新たに電池パックを作りカスケード利用している。より原始的な方法は、廃電池をスクラップとして破砕することだ。一方、ブロックチェーンは電池に関する信頼性の高いデータを川下のリサイクル企業に提供できるため、検査コストの削減につながるだけでなく、効果的なカスケード利用を実現できる。

嘟嘟換電の創業者・廖志成氏は、ブロックチェーン技術が電池のデータを「チェーン化」したことで、リサイクル企業が廃電池の全データをオンラインで確認できるようになり、廃電池の検査コストが大幅に削減されたと説明。「ブロックチェーン技術を導入した結果、嘟嘟換電の健全度が高い電池パックはリサイクル時に、従来に比べ3倍の価格で販売できるようになった」としている。

アントチェーンはすでに世界最大の新エネルギー設備向けブロックチェーン・プラットフォームを構築しており、接続済みの新エネルギー設備は800万台を超えたという。また、賽徳美(Saidemei)、傑成新能源(Jiecheng New Energy)、匯電雲聯(Huidian Cloud)などの電池リサイクル企業や蓄電企業と提携し、電池リサイクルをめぐる「エコシステム」を構築中だ。

(翻訳・大谷晶洋)

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