ファーウェイがSiC生産企業へ投資 半導体の安定調達に向け地盤固め 

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ファーウェイがSiC生産企業へ投資 半導体の安定調達に向け地盤固め 

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ファーウェイは半導体の自社開発を強化しているが、さらに半導体関連企業への投資にも手を広げ始めている。

ファーウェイは先日、傘下の「哈勃科技投資(Harbo Technology Investment)」を通じて「天岳先進材料科技(SICC Science & Technology)」の10%の株式を取得した。

天岳先進材料科技は知名度の高い企業ではないが、同社の主力製品であるSiC(炭化ケイ素)は5GネットワークやIoTの基幹ともいえる材料だ。

公式サイトによると、同社は2011年12月に設立され、登録資本金は6億8800万元(約103億円)、2017年6月時点の従業員数は145人となっている。同社はSiCウェハー製造で世界第4位の企業。また導電型および高純度半絶縁型の2種類の製造工程によって、外寸2~6インチの製品を生産する。2016年には同社の「ワイドギャップパワー半導体サプライチェーン事業」が中国国家発展改革委員会による第13次5カ年計画の関連プロジェクトに組み込まれている。

「財通証券(CAITONG SECURITIES)」の過去のレポートによれば、SiCをはじめとする第3世代半導体材料はより大きなバンドギャップ、絶縁破壊電界強度、熱伝導率を有し、その優れた性能によりマイクロ波パワーデバイス分野での活用には莫大な成長の可能性があり、電磁波遮断機能を持ち、かつ、高周波、大出力、高密度の電子デバイスの生産に非常に適しているという。

SiC市場は5G時代においても急成長が見込まれている。エレクトロニクス産業のサプライチェーン調査で著名な仏研究機関「Yole Developpement」によれば、2020年までにSiC市場の規模は5億ドル(約530億円)に、また2022年には2倍の10億ドル(約1060億円)に成長し、2020~2022年の年平均成長率は40%に達するとのこと。

中国は現在、この分野で相対的に遅れをとっている。財通証券によれば日本、アメリカ、ドイツ、ロシアなどの国がSiCの研究を大々的に推進しており、そのうち数カ国は中国に対して禁輸措置を講じており、独占状態にあるという。世界のSiCの産業構図は日米欧の三つどもえの様相を呈しており、そのうちアメリカの勢力は絶大で、世界の70~80%のSiC半導体を同国の企業が生産している。また欧州はSiCウエハー、エピタキシャル、デバイスおよびその活用に関する優れたサプライチェーンを有している。また日本は設備とモジュールの開発に関しては他国の追随を許さない。

中国は第1~2世代の半導体材料や集積回路産業において立ち後れており、世界水準に達するのが困難な形勢だが、一方で第3世代半導体分野の研究では世界最先端レベルとの差を縮めており、一定の基礎を蓄積しつつある。

ファーウェイが直面している外部環境や5G時代におけるSiCの重要性を考えると、同社の天岳先進材料科技への投資も理にかなっている。

ファーウェイ傘下の「海思半導体(HiSilicon)」の登録資本金も6億元(約90億円)から20億元(約300億円)に増額された。HiSiliconの前身は1991年に設立されたファーウェイ集積回路設計センターで、2004年10月に現在の社名にに改称し、主に半導体製品の開発と販売を手掛けるようになった。

登録資本金の増額は、一般的に企業の実力の向上を意味すると同時に、経営規模の拡大にも有利となる。米国の市場調査会社「IC Insights」によれば、HiSiliconの2019年第1四半期の売上高は前年同期比41%増の17億5500万ドル(約1860億円)で、半導体企業の世界トップ15入りを果たして第14位となり、今年上半期には35億ドル(約3710億円)の販売額で世界第16位となった。

また台湾「電子時報」紙は、HiSiliconが現在さらに多くの半導体の開発を意欲的に進めていると報じている。関係者の話によると、ノートパソコンのCPU、GPU、モバイル機器用チップ、マルチメディアディスプレイ用チップがその中に含まれるという。

ファーウェイは自社開発強化と対外投資によって安定した半導体調達の仕組みを徐々に整え、潜在的な不確定性に備えているといえるだろう。
(翻訳・神部明果)

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