【杭州アジア大会】古代中国の玉器が大会の文化的シンボルに

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【杭州アジア大会】古代中国の玉器が大会の文化的シンボルに

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中国浙江省杭州市で開かれている第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)では、地元の「良渚古城遺跡」から出土した玉器をモチーフにしたデザインが至る所にあしらわれている。

トーチや大会マスコットの頭の装飾、メダル、一部の会場では、良渚の祭し用玉器「玉琮」がデザインの着想元になっている。古代中国の玉器の要素が随所に見られる杭州アジア大会は、5千年以上にわたる中国文明と近代スポーツ精神を絶妙に融合している。

浙江省の瑤山遺跡の玉琮

杭州アジア大会で見られる玉器の要素

杭州のまちを歩くと簡単に3体のかわいらしい大会マスコットに出会える。これらのマスコットは杭州の三つの世界文化遺産である良渚古城遺跡、西湖、京杭大運河(北京と杭州を結ぶ運河)から着想を得ている。センターの黄色いマスコット「琮琮(ツォンツォン)」の頭の装飾は玉琮をモチーフにしており、その四面には良渚文化の「神人獣面紋」が刻まれている。

「湖山」と名付けられた大会メダルには、デザインコンペで優勝した中国美術学院の玉琮要素を取り入れたデザインが採用されている。

同学院工業デザイン学部の章俊傑主任は「湖山は最終的に玉琮で特徴付け、四角い玉琮と丸いメダルを一体化し、円と四角の融和、美美与共(互いに良さを認め合う)、和而不同(和して同ぜず)というアジア大会の精神を表している」と語った。「薪火」と名付けられたトーチのデザインも良渚文化に由来し、吹き出し口のデザインには最古の甲骨文字「琮」が採り入れられている。

大会メダル「湖山」

良渚文化

2019年7月6日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第43回世界遺産委員会会議で「良渚古城遺跡」が世界遺産に登録された。中国新石器時代後期の東アジアにおける稲作文化の最大成果を代表するこの初期都市文明と地域国家は、世界の学術界から高く評価された。

同様に、このことは中国5千年の文明史が国際社会で広く認められたことも意味している。

良渚博物院では、さまざまな良渚玉器が世界中からの観光客を出迎えている。玉器は大切に保管され、館内中央で静かに横たわっている。

玉の文化的意味

中国の長い歴史の中で、玉器は常に中華文明の発展の本流と密接に関係し、中国古代文明の発展史を研究する上で重要な手掛かりとなってきた。

同博物院の馬東峰執行院長は「最も古い時代は玉器は装飾品として用いられていたが、その後徐々に神聖化され、良渚文化で起こったように権力と信仰の象徴になった」と説明する。5千年前の中国古代の玉器、玉琮が今大会の重要な文化要素になったことで、アジア競技大会がさらに特色を帯び、独特の風格があるものになったと馬氏は語った。(新華社杭州)

「上有天堂、下有蘇杭」、アジア大会の開催地・杭州の魅力とは

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